現役介護士が介護を辞めるまでの実録5
「介護離職体験記 その5(完)」
自分を守るのは自分。心を病む前に考えたい事
介護職に就いて、心を病んでしまう人は多いです。
自分に合わない職場、又はおかしな職場で苦労をしたために、2度と介護職はしたくないと他業種に転職した人も多いです。
周知されているとおり、労働条件が良くないというのも一因ですが、私は、介護業界は働く人に対しての「否定」が多いと思いました。
- 仕事のやり方に対する否定
- 人柄に対する否定
介護の仕事はいくつも正解があると思うのです。同じ事例でも利用者によって答えが変わるのは当たり前です。
もちろん、厳しくしごかれて育つ人もいますが、そこには正しいやり方があってのことです。
そもそも指導する立場の人に余裕がない場合がほとんどです。私の経験では、ピリピリしている人ほど、他人に対して「否定」が多かったです。
人材を潰していき人手不足の原因を解決しないまま劣悪な環境になるのは当たり前です。
人材確保もうまくいかないのですから、病んでしまえば、自己責任。これでは働きたくなくなるのは当然かと思います。
心の病み方が深刻になり、公的なサポートまで受けようとしたら自分もしくは身内で動かなくてはなりません。
目に見えるケガは、治療の必要がはっきりしていて完治もわかりますが、心はそうはいきません。
心を病むと復帰に時間がかかり人生に大きな影響を与えます。
自分を守るのは、自分です。心が病む前に、休むもしくは辞めることは必要なのです。
自分が辞めたら、みんなが困るに縛られないで
この文章を読んでいただいている方は、ギリギリのところまで頑張りつつ、心のどこかで仕事を辞めることを視野に入れている方もいるのだと思います。
嫌だから辞めることが、自分のわがままと思わなくていいと思います。
社会に出て働く以上は我慢が必要である事を否定しませんが、自分を壊してまで我慢する必要は絶対にありません。
もっと自分を大事にしましょう。
人手不足が当たり前の介護業界。自分が辞めたら困る。それは事実です。
だったら、職員が辞めたくない環境にするのが職場の責任なのです。
職場が問題を解決しないことは、あなたのせいではないのです。
あなたの職場は、退職した方たちをいつまでも悪く言うような職場ではありませんか?
辞めたいと言ったら当然、悪く言われるでしょうが、長い人生で一瞬の事です。
おかしな人たちに悪く言われないためには、自分もおかしな人になるしかないのです。
泣くことも出来なくなるくらい、頑張ってはいけない
ストレスのあまり自分の価値観がぶれて、冷静に判断ができない状態であれば、親しい友人や相談機関に話をするのも良いと思います。
今の職場に問題を解決するような姿勢があるか確かめて、ここまで対応してくれたらとこうするという自分のラインを決めていいと思うのです。
追い詰められ、疲れ切ってしまうと泣かなくなります。
それはあなたが強くなっているのではありません。
涙が出る余裕もなくなっているのです。
私が泣けるようになったのは、退職してから半月かかりました。
泣ける映画を観てたくさん泣きました。
流れる涙に驚き、すっきりしました。
私はその日から立ち直れたのです。
報道されている過労死、自死の記事を読むと、どうしてそこまで自分を追い詰めるの?と考えさせられます。
報道される勤務内容、勤務時間、生前の本人の言葉。どれをとっても、悲壮なメッセージがあふれています。
その人の事を思う周りの人は、当然助けようとしたと思います。
真面目すぎるがゆえに、仕事で頑張りすぎてはダメ?それはいけない事とはわからなくなります。
今までの自分は、頑張ってきたことの積み重ねであるからです。
追い詰められすぎて自分のキャパを超えてまで頑張ることがいけないとわからないのです。
選んだ結末は、永遠の休息。誰もそんな悲しい選択をしてはいけないのです。
「安心して普通に働きたい。」そう願った私の今
私が仕事に望んだのは、「安心して普通に働くこと」です。
そんな当たり前のこと?思った方がいるかもしれませんが、元職場ではかなわなかったことです。
問題の男性上司とのかかわりは私を疲弊させましたが、退職を決めてからの職場とのやり取りもかなり疲弊しました。
そのために何度か、「悪いのは我慢できない私?」と混乱してしまったこともありました。
大変だったけれど、本当にあの職場を辞めて良かったと思います。明日が来るのが嫌だと思う日はもう送りたくありません。
派遣会社に紹介してもらった今の仕事は、以前の職場に比べてとても働きやすいです。
ほどよい距離感が心地いいです。
笑顔で働けるって本当に幸せです。
働くことに関しての相談は、まず派遣会社の担当の方にします。
一人で働いているのではないと思うので心強いです。(完)
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