介護のパートのお仕事について~現役介護士が解説するよ
特養で働いていた私が紹介する給料がいい介護パートというしごと
特別養護老人ホームとは、要介護が3~5(比較的重度の介護を要する方たち)のいわゆる“終の住処”です。
私たちは、その高齢者が日々安心して安全に過ごせるよう、お手伝いするという仕事を担います。
主にやることは、食事・排泄・入浴介助の3つです。
食事介助は食べさせる事と食べる事
ですが、認知症等における意思疎通の困難な入所者への介助は容易ではありません。
認知症の程度にもよりますが、人間本来の生き物としての本能に「食事」があります。
食べる事は必要であるため、それを認識すると食事はしてもらえます。
ですが、認知症の重度化により食べる事を認識出来ない場合、それは「食べさせる行為」に発展します。
一般的な食事介助になるでしょう。
これ、介護員は当たり前にやってはいますが、実は要介護者との微妙な連携で成り立っています。
食事を口の中に運ぶまでを食事介助とすると、それは体内に吸収(飲み込む事を)するのは要介護者なんです。
当たり前のように聞こえますが、介護員は「胃の中に押し込む事」は出来ないのです。口の中に入ったものを飲み込むのは「本人の意志や本能」が受け入れて成立します。
口に運ぶ(食べさせる)⇒飲み込む(食べる)⇒口に運ぶ・・・を繰り返して食事介助は成り立っています。
もし飲み込む事をしない、つまり食べない場合には何かしらの理由があるのです。これは一朝一夕では見抜く事は出来ません。
「食べないから食べない、食事介助は難しい」ではないのです。
認知症であれ意志はあり疎通が出来ないだけなのです。スプーンですくって口に運ぶなんて、慣れた介護員にしてみれば単純かもしれません。
でも、それは微妙な連携がなせるものであるという事を忘れないようにしましょう。介護のお仕事 入浴介助
お決まりと言っては何ですが、集団入浴や公衆浴場のような雰囲気になってしまう特養のお風呂についてです。
筆者の師匠曰く「芋洗いのように手際よくいけよ」なんて、生活相談員とは思えぬ発言も聞いた事があります。(汗)
普通の生活のように夜にお風呂に入り、なんて事は特養ではまずありえません。
職員が多く配置される昼間に決まった曜日で入浴となります。
全国の施設で平均とされるのが、概ね週2~3回といったところでしょう。
そんな入浴介助ですが「介護員としての仕事」だけでは成り立たない側面があります。
それは嗜好を尊重しなくてはならないという事です。
お湯の温度にはじまり、洗う部位はどこからか?というところまで様々です。
男性であれば、髭剃りのタイミングまで違ったりします。
介護のお仕事 入浴介助はもっと深い
そんな嗜好がある入浴ですが、ある時男性入所者を入浴介助している時に言われた事があります。
その方は頭⇒体⇒足⇒髭剃りなんて、至って普通の順番で依頼されました。数回介助するようになって、いつも通り介助していました。
突然「洗う順番が違うんだようなぁ」と言うのです。「!?」、今更何を言うのかとびっくりしました。
「昔は競馬とかしてて、ゲン担ぎもあって足は左足から洗うんだよなあ。今は右足からしか洗ってもらえないけどよ」と。
足の洗う順番なんて、概ね日本人は右利きだから右からでいいか、と思ってました。これが嗜好やこだわりなんです。
結果としてその事を悲しんだりもしてはいませんでしたが、入浴介助のマニュアルには無い事例でした。
お風呂に入った時自分の動作を一つずつ見ていくと、意外な自分のルーティンがあったりします。
お風呂って深い深いこだわりがあるんです。
介護のお仕事!食事介助と入浴介助の方法を経験者が語るよ | はじめて介護求人探し
どれも利用者によってどの程度介助するかが違ってくるのですが、私の働いていた特別養護老人ホームは4~5割は全介助の方でした。
約半数が全介助となると、とても大変なのではないかと思われますが、職員配置もそれに合わせて行われるので、そこまで時間に追われることもありません。
終の住処と言われ死のイメージがありますが、看護師や往診のドクターと連絡体制がしっかりしているので、心配することはありません。
介護士同士のチームワーク、チーム意識が大事
それよりも日ごろから蜜な報告・連絡がとれていることが大切です。
ですが、介護士にはいろんな人がいますからね。
人間関係でつまづいてしまう人が多いのも事実です。
本当に腹が立つこと!
介護現場では、口の悪い、新人職員を教えるつもりもないような人人が上司になる場合が多い
今私が働いている介護施設の上司がそうなんですが、新人を教える気持ちがなく、ただ、新人についてどうでもいいって思っているので、口調もタメ口で、厳しく当たっている人がいます。
それでいて上司と話す時はヘリクダッて敬語という…。
悪い人でも残さなければならない、上の立場
あまりにもヒドイので、上司に言ったんですが、上司はそこで、「それは社会の常識でしょ。社会はそんなに甘くないよ。嫌だったらその人よりも偉くなればいいんだし。」って言われました。
私は、そうじゃないでしょ、力あるあなたが秩序を作らないと、いつまでも変わらず、離職者が出続けるだけでしょって思いました。(既に最近2人辞めている)
でも、私も自分の立場があるので、それ以上は言えず、あなたが変えろよとはいえませんでした。
それくらい人がいない、介護現場の人手不足
だから強く立ち回るか、嫌で体壊す位なら自衛して辞めればいいと思います。
介護の人間関係は悪くて当然!自分で自分の身を守ろう | はじめて介護求人探し
介護施設では、亡くなる方も多い
高齢者は私たちとは違い、いつどうなるかわからない疾患を多く持っています。
「さっきまで元気だったのに、次に訪室してみるともう息がなかった」ということもあります。
大切なのは、利用者の死を恐れることではなく、「私たちが、この人の人生で最後に関わる人なのだ」という意識をもって日々接することだと私は思います。
実際の介護現場では正社員とパートでも仕事の違いは少ない
介護の現場ではパートであるからと言ってそこまできっちりと仕事の分担がされていません。
大きい施設や病院系列で看護師が多い職場は別ですが普通の施設ではパートも介護職員として大事な役割を担うこととなります。
残業がなかったり、委員会などの仕事が免除になったりしますが、入浴食事排泄介助はなし!ということではないところが多いので、働き方によっては正社員を目指す方がやる気につながると思います。
逆に、パートだから…正社員だから…といった職場内の派閥もなく、みんながチームとなって仕事をするので、チームワークに向いている方にとっては働きやすい職場だと思います。
特に給料がいい介護パートはほぼ正社員と同じ仕事を任されるといっても過言ではありません。
そもそも介護施設の種類が多くてどれを基準に選べばいいかわからないという人は、自分の希望の働き方をまず考えてみることが重要です。
給料がいい介護パートという見出しだけで決めると、夜勤が多かったりするのでおすすめできません。
夜勤をしたくない人は?
日勤帯のみ希望の方はデイケアやデイサービスと呼ばれる施設が良いです。
特別養護老人ホームをはじめ老人施設は夜勤帯があるので、夜勤ができる人が喜ばれます。
そこでも3交代か2交代かを見て、自分にあったシフトを選ぶと良いでしょう。
3交代は早番、遅番、夜勤で夜勤の時間が2交代より短く、きつさも軽減されますがその分手当も少ない所が多いです。
2交代は日勤か夜勤なので夜勤が16時間のところが多いと思います。
夜勤帯が長い分、夜勤明け→公休となり体のリズムは3交代より戻しやすい点があります。
給料がいい介護パートという言葉にはくれぐれもご注意を!
私が特別養護老人ホームで働くことになった動機は単純に「おばあちゃん子」だったから。“介護をする”というよりは“お年寄りとふれあいながら仕事がしたい、役に立ちたい”というのが動機でした。
はじめるきっかけはなんでもいいと思います。
介護の仕事では、実際にまずはじめてみて、そこから自分がどう感じるかを見ながら、続けていけるかどうか決めていけばいいと思います。
頑張って下さい。