介護を辞めていった人の理由。現役介護士が事例を元に説明します
腰痛で辞めていった人の事例
介護職のみならず看護職の方でも痛めやすいのが「手」と「腰」です。
特に腰についてはぎっくり腰のみならず、椎間板ヘルニアを発症し最悪手術を行う事になりかねません。
では、どうして腰痛の方が多いのでしょうか?
介護を受ける高齢者のほとんどは足の筋力が低下しており、自分で体を支える事が出来ません。
その為、介護者が体を支えてベットへ休ませたりトイレに座らせたりすのですが、ここで利用者さんの体重が全て介助者に降りかかってきます。
これが体重の軽い方ならまだ良いのですが、中には60㎏を越える方もいるので負担は激増します。
また、身長の高い低いも関係してきます。
身長150㎝前後の介護者が身長170㎝の利用者さんを介助するわけですから負担はかなり大きい物となります。
では身長が高いと負担は少ないのか?といわれれば答えは「ノー」です。
私は身長180㎝あるのですが、車椅子に座っている利用者さんの高さは120㎝前後しかありません。
その方をよいしょっと車椅子からベットに移すわけです。
皆さん足の筋力がないので、ほぼぶらさがり健康器宜しくだらりとぶらさがったまま介助を行います。
施設利用の高齢者の約70%が女性で、しかも小柄な方が多く見られます。
小さな体とはいえ、脇を支えながら持ち上げるのですが、例え2.3人でも朝・昼・晩と毎日していたら腰をやられてしまいます。
また、他の理由として「キッチン」や「入浴場」の造りが低くなっているのも要因として挙げられます。
理由として介護者や利用者さんは女性が多く、ほぼ全ての用品が低い位置に設定してあります。
身長の低い方はそこまで負担はないのですが、高身長の方は低い所に腰をかがめて物を取らねばならず腰に負担がかかります。
私も椎間板ヘルニアを2回、ぎっくり腰を1回経験しています。
介護職や看護職で仕事を辞めていく理由として「腰痛」が挙げられるのも納得の一言につきます。
事実、私も腰痛で離職した人を何名か見てきました。
しかし、腰痛対策があるのです!
まず一つ目は「腰のコルセット」を装着する事です。
これを装着するしないでは腰への負担が全然違います!
私は仕事をする時必ず装着するようにしています。
二つ目は「転職」する事です。
「んないきなり極端な!」とお思いでしょうが、介護職を続けるにあたっては腰痛とは切っても切れない関係なのです。
上記でコルセットを装着すれば違いますとは言いましたが、負担が軽減するだけでなくなる事はありません。
「腰痛が酷くてたまらない」「腰が痛くて歩けない」となってしまっては元も子もないので、その時は潔く転職しましょう。
ただ、介護職を続けたいのであれば次の職場では腰になるだけ負担のかからない仕事にするか、もしくは先駆的な取り組みを行っている会社にしましょう。
例えばケアマネージャーの資格取得し、居宅のケアマネとして勤務する。
車椅子からの乗り移りに際しリフトを使用している施設、スタッフの数が潤沢でそこまで肉体労働が少ない場所などが挙げられます。
なので、転職の際など見学や口コミなど情報を収集し、転職サイトを有効に利用する事も重要といえるでしょう。
人間関係で辞めていった人の事例
介護職は人間関係で保っている職業といっても過言ではありません。
状態報告や相談、ケアに対する疑問など常に人とコミュニケーションを図りながら業務にあたる必要があります。
しかし、中には「そんなこともしらないの?」と嫌味のように発言する人や「男のくせに~」と性差別を行ってくる人もいます。
それを繰り返すうちに精神的ダメージが蓄積し辞めていった人が何人もいます。
私も以前の職場でパワハラを受け退職しました。
内容としては「新人なんだから、朝一番に職場に来て事務所の掃除やゴミ捨てをしておけ!」「朝先輩が出勤して来たら一人一人にお疲れ様といいながらお茶を出せ!」「寒い日には気を聞かせてしょうが湯を入れろ!お金?自分で出せ!」「駐車場の草むしりをやっとけ!(この時8月でした)」と毎日のように恫喝されました(尚全員女性職員です)
上司は目の前で聞いていても最後には「あなたの事を思っていっているのよ」を決まり文句のように言っていました。
半年我慢して勤務していたのですが、妻から「仕事いく度に死にそうな顔をしている。お願いだから仕事を辞めてください」と言われ離職を決意しました。
退職届を提出した後の業務と言えば小さい倉庫に入ってのシュレッダー業務でした。
退職時、各部署を回ったのですが言われたのが「よくあんなところに半年我慢できたねえ」といった言葉でした。
私は辞めて3年ほど経ちますが、まだ補充が入っていないとの事を聞いています。
不倫関係から退職・・・
介護職は不倫の多い職場とも言えます。
理由は様々ですが、「女性が多い」「介護職は自己評価が低い為」「夜勤等不規則勤務が多いのでバレにくい」とよく言われています。
私の場合は巻き込まれた形なのですが、ある会議の場面で私がある男性職員に意見をしました。
次の日から若い女性たちから急にハブられるようになりました。
その頃にはケアマネをしていたのですが、仕事内容についての話し合いも出来ず業務が滞るようになりました。
特に2人の女性から目の敵にされ、いったい自分が何をしたんだろう?と不思議に思っていました。
数か月後に謎は解けました。
私が意見したその日の夜、自分が知っている全女性職員に対し「○○にこんな事を言われた!○○のせいで仕事を辞める」とメールをしていたのです。
それを真に受けた女性職員たちが私を目の敵にしたのです。
なぜそれが発覚したのか?答えは女性職員2人との不適切な関係が理事長にバレたからです。
ちょうどホテルから出る所を見られ、その事について尋問している最中に発覚しました。
その頃私はこんなところに居れないと転職手続きを行っていたのですが、事実がはっきりすると急に手のひら返しをされました。
でもその手を振り切って私は離職をしました。
結局その女性職員2人と男性職員は首となり、お互い離婚され親権も剥奪されたそうです。
因果応報ってあるんですね。
おわりに
介護の離職理由について、私の体験談を混ぜ込みながら説明しましたがいかがでしょうか?
皆さん色々な理由で離職されますが、介護職の強みは何と言っても職の安定性だと考えます。
正直今のご時世介護職の人材は常に不足しています。
自分に少しでも合わないな?なんか違うなと感じた時は転職を考えてみるのも一つの手かもしれませんよ。
なにも仕事場は一つだけではないのです。
色々な人がいるように色々な職場もあるのです。
少し視野を広く持って行動してみてはいかがでしょうか?