製造業から介護に転職した私が業界比較するよ
~介護業と製造業の違いってどういう所だろう~
私は介護職に就く前は工場で勤務をしていました。
今から20年も昔の話ですが、その頃は携帯電話が丁度普及し始めていた頃で、私が勤務していた工場でも昼夜休むことなく電子機器を作成していました。
給与も高卒で新入社員ながらに月給25万を超えており、このまま順調に勤務をするものだと信じて疑いませんでした。
しかし、設計上のミスが発見され問題になったのですが、当時の社長が事実隠蔽し取引先に納入したものですから、取引先は激怒し納品出来なくなりました。
その為、業績悪化の責任を下の者が取られなければならず、リストラにあい8年間勤めた会社を退職する旨となりました。
現在その会社は人の出入りも無くひっそりと建物のみ佇んでいます。
その後介護業界に飛び込んだのですが、工業系といろんな所が違うということに気が付きました。
ここでは、介護業と製造業の違いを説明していきたいと思います。
介護業界はここが非常識?!
介護職について一番驚いたのが「サービス残業当たり前」の所です。
工場勤務だった頃、定時になると交代要員が来てすぐにタイムカードを押していましたし、居残りになるとキチンと残業代も支払われていました。
しかし、介護職だとサービス残業当たり前で定時に帰れることは殆どありませんでした。
例にあげますと、通所リハでの勤務が「8:30~17:30」とします。
通所リハの場合は、自宅に迎えにいかなければならないために車の準備やお風呂の準備、休みの連絡の有無、配車表の確認をしないといけませんので、最低でも30分前には仕事についておかなくてはいけません。
送りの際にも、遠い所まで送迎に行くと職場に到着するのが「17:30」をすぎることがあります。
居残り職員がカルテ整理など終わっていれば良いのですが、終了していない場合は書類の整理を手伝う必要があります。
また、車が汚れていると洗車したり、忘れ物等あった際などの連絡を行っているとあっという間に1時間は経過します。
しかし、その1時間は賃金が支払われることはなくサービスとして労働することになり、いわば善意で仕事が回っているような状態です。
新しい上司が来て「これではいかん」と言うことで、職員が10分前に仕事開始するようにとなったのですが、上司が業務内容をキチンと把握しておらず、利用者様に大変迷惑をかける事態となりました。
(その上司は他の問題ですぐに降格になりました)
通所系ほどありませんが、施設で勤務している場合でも時折サービス残業は発生していました。
施設の場合は、交代要員がいるのであまりサービス残業はないのですが、亡くなった場合や事故が起きた際は残業を余儀なくしていました。
また、雪の日や台風など職員が来れない場合など人手を補填するため仕事をしていました。
職場全体でサービス残業をなくそうと努力している場所はともかく、介護職は大なり小なりサービス残業があると思っていただいて結構です。
介護業界と製造業を比較するとこんな部分が仕事上、とっても楽 逆にこんなところが苦しい?!
製造業ではそこまで必要ではないスキルが、介護業ではとても重要視されるスキルがあります。
それは「コミュニケーション能力」です。
製造業の場合は、それこそ日がな一日機械とにらめっこしながら作業をし、人と話すといったら休憩時間しかありませんでしたが、介護職となればそうは行きません。
介護職は多職種連携を主としていますので、看護師や介護士、理学療法士などの上司・同僚とコミュニケーションを図り業務に当たる必要があります。
また、利用者様とのコミュニケーションを図ることは、本人様の心の安定とともに、呂律が回らない等異常の早期発見に役立ちます。
加え家族様に対する対応など接遇マナーが必要になってきます。
人と話すのが苦で無い方はそこまで大変と感じませんが、内向的な方は苦労するかもしれません。
(ちなみに私も内向的な性格でしたが、介護職についてから多少は改善したと思います)
介護士として働こうと思うなら我慢し無いといけないこと
上記でサービス残業が常態化していると言うことをお伝えしましたが、これは給与にも直結します。
正直介護職は給与がよくありません。
私も最初介護職になった時は、給与が工場でもらっていた金額より最大半分になった時もあり貯金を切り崩しながら生活をしていました。
特に通所介護の仕事をしていたので、夜勤がなくまた準社員として勤務していたので給与は10万を超えればいい方でした。(後ほどこの会社は是正勧告を受け、社長が交代しましたが、現在どうなっているかは分かりません)
今現在はケアマネージャー兼介護士として勤務していますが、夜勤3回してやっと20万行くかいかないかの給与しかありません。
次に年末年始や行事での休みについてです。
製造業の場合は、親元の会社が休みになると仕事が無いので同時に休むことになりますが、介護職はそうは行きません。
特に施設の場合は年末年始だろうが全く関係ありませんので、まとまった休みを取るのはとても困難です。
また、介護職7は女性の方が多いので家庭の為に年末年始を休まれることが多いので、男性職員は増々休みを取ることが出来ません。
このように介護職を続けようとすると給与面と休日は我慢しないといけないといけません。
介護業界と製造業との比較まとめ ~こんなところが違う!?~
給与の面やコミュニケーション能力等製造業との差を説明してきましたが、私が考えうる最大の違いは「サービス残業の常態化」と考えます。
介護業界は製造業に比べ仲間意識が強いので、自分の仕事が終わったからと行って「帰ります~」が出来ない所があります。
そのようなことをしていたら、職場の中で浮いてしまい仕事が立ち行かなくなってしまいます。
結論としては製造業は男性主体の縦社会、介護業界は女性主体の横社会と言って過言ではありません。