介護経験者が語る!介護職を辞めたくなる出来事と対処法
介護経験者が語る 介護職を辞めたくなる出来事と対処法
介護職をしていると様々な利用者と出来事に出会います。
それはいい出来事や出会いもあれば対処できない辛い出来事や出会いもあります。
今回は私が経験したいくつかの事例を挙げていくので介護業界に転職を考えている方はぜひ参考にしていただきたいと思います。
最初に知っているといないとでは全然違うと思いますので。
<事例1>食事を忘れる認知症のおばあちゃん
介護業界で働くと認知症の方と切っても切れない縁を持つことになります。
これはどこの施設で働いても必ず向き合っていかないといけない病気の一つです。
認知症とは
あるおばあちゃんは短期記憶の低下が進み身近な出来事を記憶することが出来ません。
昼ご飯を食べると食べ終わった瞬間には「私、お昼ごはん食べてないわよ!」と怒ります。
食べたことを伝えると「食べてない!バカにしないで!」とさらに怒りは増していきます。
ですから相手の意見を受容して「今昼ご飯調理してます。すぐにお持ちしますね」と伝えます。
そうすると納得され表情もやわらかくなります。これは一日だけの話ではありません。
毎日毎食同じことが起こります。
最初は何度も起こるのでどうしていいのかわかりませんでしたし、いらだつこともありましたが、病気のことを知り、向き合ってみると納得できるようになりました。
認知症という病気のことを知り、その諸症状を学び、向き合うことで対処法も確立されてきます。
ですから悪い印象を持つことはなく、そういう方と出会うことがあったらしっかりと向き合ってみましょう。
<事例2>歩くことを止められないおじいちゃん
こちらも私が出会ったことがある認知症のおじいちゃんのお話です。
そのおじいちゃんは一日中食事のとき以外はずっと休むことなく歩き続けています。
もちろん昼夜関係なく施設のフロアを歩き続けます。
制止しようとすると手を振りほどかれ、怒るときがあります。
認知症の方に見られる症状として徘徊があります。
徘徊とは
深夜に徘徊し、目的もなく歩き続けます。
食事の際は椅子にちゃんと座り静かに食事をとるのですが、食べ終わるとまた歩き出します。
ですから断られても何度も椅子に誘導して座っていただくよう気長に声掛けをします。
もちろん夜中も徘徊を続けようとするのでそのままにしておくと睡眠不足で体調を壊してしまう恐れもあるので注意が必要です。
徘徊にはリスクがいくつもあります。
例えば転倒リスク。
一日中歩いているわけですから見えない疲れが当然蓄積します。
転倒してしまうと骨折や打撲など高齢者にとってマイナスなことが多いのです。
ですから怒られても諦めることなく、チャレンジしてみてください。
<事例3>起伏が激しいおばあちゃん
次の事例はあるおばあちゃんのお話です。
このおばあちゃんは認知症の方ですが、徘徊があるわけでもひどい物忘れがあるわけでもありません。
その代りとにかく感情の起伏が激しいのです。
先ほどまで笑顔で楽しく一緒に歌を歌っていたと思ったら、次の瞬間には激怒します。
一度激怒すると中々怒りは治まらず食事を食べなかったり、水分を拒否したりと生活に障害が出ます。
しかもどこで起伏のスイッチが入るかわからないのが難しいところなのです。
ではどのような対応をするのかというとその方がどのような人生を送ってきたのかを知ります。
その方は婦人会の会長を務めていたりプライドが高い女性でしたので、プライドを傷つけないように丁寧な会話に努めます。
最初はどのように接していいかわからずに怒らせてしまうこともありますが、色々なことをチャレンジしてみて対象者にあったコミュニケーションを確立させることが大切です。
介護の基本は技術よりもコミュニケーションです。
コミュニケーションがしっかりしていればどのような問題もほとんどが解決すると思います。ですからどのような症状を持っている人でもしっかりと向き合うことが大切なのです。
こう考えれば介護職を辞めないで済みます
前項でいくつかの事例を書きましたが、介護を辞める人の理由で多いものの一つがそれらによるストレスの蓄積です。
人は一度嫌だと思ったことをなかなか前向きに受け入れることはできません。
また明日もあの利用者の介護をしなくてはならないと思ってしまうと仕事をする気がなくなってきます。
介護の仕事をするにあたって大切なことは思いつめないこと。
どんな症状の利用者がいようと一人で介護をするわけではありません。
先輩後輩みんなで一緒に介護をするので思いつめずに協力してもらいましょう。
自分一人で抱え込むことが一番自分を追い込んでしまう理由です。
あとはストレスを溜め込まないことです。
ストレスの発散方法は人それぞれで、様々な方法があるとは思いますが、プライベートには仕事を持ち込まず、プライベートと仕事を分別して考えるようにしてください。
職場を出たら仕事のことはいったん忘れてください。
介護はコミュニケーションで構成されているので考えすぎてしまうことも多々あります。
ですが、そこをプライベートに持ち込まず、切り離して考えていくことで少しはストレスの元凶を減らすことが出来ます。
このように介護業界には様々な利用者いて色々な出会いがあります。
それらをマイナスに捉えることなく、気楽に受け止めてもらえれば長く介護を続けられると思います。