介護福祉士の資格はあってもなくても
介護の仕事でよく聞く「介護福祉士」という国家資格があります。
でも実際は取得していないけど長く続けている介護士がたくさんいます。
何故なのか?その理由を紐解いてみましょう。
介護の仕事が面白い??
介護の仕事を始める人の中には、「気軽に長く続けていける仕事」と考える方もいらっしゃいます。
理由を尋ねると、介護は高齢者と同じ時間で流れると考えているようです。
実際の現場は分かりませんが。。。
ですがこう考えると「高齢者と寄り添う」形が自然と出来るようになると筆者は感じます。
同じ時間の流れで介護が出来るとすれば、たとえそれまでの世代や考え方が違っていても、相手を理解しやすくなります。
相手が理解出来ると、「息が合う」ような感じで仕事は楽しいでしょう。
資格取得はしなくてもいいの?
介護の世界にいると何故か「少しだけ介護福祉士が上位」というような、不思議な考え方に気付きます。
でも介護福祉士の資格を強要している訳でもありません。
むしろ、介護福祉士を受けるか否かは自由です。
決まりみたいなものも無いんです。
介護福祉士資格を取ったからケガをさせないか?そんな事はありません。
介護はケースバイケースであり、この手順が絶対に!なんて事はあり得ません。
同じ高齢者へ介護をする場合でも、不測の事態はいつ起こるか分かりませんし、対応も違ってきます。
介護福祉士の資格取得でこれらを全てカバー出来るのか?答えはNOです。
資格はあくまでも個人の裁量であり、成長したいから資格を取得するのか?の質問についてもやはりYESではありません。
知識と経験は介護福祉士資格だけでは測れない
介護に代表される国家資格が「介護福祉士」なのですが、この試験実は結構難しいものです。
経験だけでは受験出来るものでもなく、一部専門学生も受験出来たりします。
ですから、介護施設によっては「新卒で介護福祉士」という方もいます。
運転免許でいうペーパードライバーがいるのです。
介護における忍耐力については、とても学生時代で成熟出来るとは思えません。
これは年輪みたいなものも必要で、介護福祉士なら一人前かと言うと決してイコールにはなりません。
知識においてもそうですが、教科書で学んだ「お手本のような介護事例」は少ないものです。
現場は混沌としており、それらを適宜こなしていかなくてはなりません。
これも現場で培われるものが殆どとなるでしょう。
言い方は雑かもしれませんが、「あの人は無資格だけれど頼りになる」と言う方が現場にはいらっしゃいます。
経験=資格=知識の構図は成り立ちません。
介護福祉士の資格取得の良し悪しは?
当然国家資格ですから、取得して損は無いと言えます。
実際介護福祉士は資格手当も発生しますから、取得する事はお勧めします。
悪い事もありませんが、取得するのであれば「一定の責任と役職」が相応かと思います。
介護福祉士の資格は「介護の質を維持するため」でもあり、奔放になり過ぎないような枷の役割も兼ねています。
介護を「あえて難しくしている砦」のようなものです。
この仕事は目に見えない仕事である事から、その維持と継続が難しい仕事でもあります。
こういった部分をカバーする必要がありますから、やはり資格取得者は必要なのです。
介護を律するような厳しい一面も兼ね備えますから、やはり主任以上の役職者が適任であると言えます。
現場にはこういった厳しい一面を持った人間と、その陰でたまにはこっそりとでも優しい介護員が必要で、このバランスで出来ていたりもします。
結局、介護福祉士は必要なのか?
バランスという面から考えるならば必要とだけ断言出来ますが、世の中の介護者が皆こうなってしまっては少々お堅い介護しか生まれないような気もします。
人間の生き方と一緒で、介護はバランスが必要です。
ですから現在の介護者から全部とは言わなくても、概ね半分程度が取得を目指している今の状態が良いでしょう。
介護業界全体で考えると必要ですが、現場単位で考えるならば「周囲に介護福祉士がいないなら一念発起してやってみる」のが妥当と言えます。
自分の将来性や立ち位置、そういったものを複合的に考える必要があるでしょう。
資格取得で介護の仕事が嫌になるなんてケースも聞かれます。これでは元も子もありませんから。
介護を楽しく感じ続ける必要性が一番
結論を言うなれば「介護を楽しいと感じ、自分で成長を望むのであれば」資格取得が最善の方法です。
これは「楽しさと成長」の両者が成り立つ場合に限った方がいいでしょう。
よくあるのが「資格取得して将来のために」だけを考えて資格取得をし、結果としてその後に面白みが無くなって辞めるというケースです。
意味がなかったとは言いませんが、人生の進路としてやはり少しばかり遠回りをしているような感じが否めません。
あの仕事はなんだったんだろうと考えさせられるような結末は、結果として介護を遠ざけてしまうような残念さも残ります。
面白みが見え始め、その道で極めたいと思える流れが自然で意味のある資格取得に繋がり、介護人としての未来が望めるでしょう。
資格の時代と言われ色々な国家資格が存在します。
仕事や生活のために取得するのは当然かもしれません。
しかし結局「いやいや」ではその資格自体が活きないでしょうし、実のあるものになる可能性が減ってきます。
せっかくなら前向きに、そして自発的に取得していくことが必要です。
ですが介護の仕事はこれだけに限らない成長があり、資格取得を絶対とは言っていません。
自分の進む道をしっかりと見据え、その先にある資格取得となるのであれば一番理想的と言えるでしょう。