介護福祉士の資格とその仕事
介護業界おいて登竜門とも言える介護福祉士の資格ですが、意外と知られていない中身だったりします。
介護の現場職としては唯一の国家資格でもあります。
そんな介護福祉士の魅力とも取れる側面と、介護福祉士の仕事についてお話しします。
介護福祉士の資格とは?
一般的に「介護経験3年で受験出来る」と認識されている資格です。
「現場では最高位の国家資格」となっています。
介護の現場では実際多種多様な職種が絡んでいますが、直接介護に関わる資格ではスペシャリスト的ポジションです。
ほぼ全ての介護施設において、保有者が在籍しています。
一定の経験が必要とされる資格ですから、それまでの経験が活きた資格とも言えます。
また所定の専門学校を卒業して受験資格得る事も出来ます。
この場合は経験不問として資格を取得する事になりますから、言い方によってはペーパードライバーとなるかもしれません。
ですが「介護に就く最初から」介護福祉士を取得している訳ですから、仕事に制限が無くいきなり活躍出来る場が広がるとも考えられます。
意外なところで活かせる介護福祉士の資格
介護の仕事においていずれは必須とも言える資格ですが、他にも介護福祉士が活躍している職場があります。
一つは建築業界における「福祉関連住宅の建築」におけるアドバイザーというポジションです。
設計士ではありませんが、設計の際に「福祉経験者の観点から」協議し検討するという仕事が主になります。
昨今バリアフリーという言葉に伴って、住宅を含む建築物がバリアフリー化してきています。
まだまだ少数ではありますが、建築会社にこういった配置をしているところもあるようです。
これはあくまでも「経験者に限る」ようです。
二つ目は大手ショッピングセンターでの、介助士としてのポジションになります。
介護福祉士とは別に「サービス介助士」という資格がありますが、これも介護知識を習得する内容になっています。
ですがやはり近年のバリアフリー化と「サービスの拡充」に特化している部分から、介護福祉士を配置しているお店があるようです。
そのうえで「サービス介助士」を取得するという流れになっており、やはり介護経験者の強みを活かしてお客様に喜んで頂けるサービスを目指します。
介護福祉士の役割と仕事は?
介護の現場に戻りまして介護福祉士の役割について考えてみます。
仕事内容を考えると何も他の介護士と変わる訳でもなく、その内容は変わらないというのが本当のところです。
ですがそのクオリティはやはり高いものになっています。
介護というのは少々「泥臭い」一面があります。
これは業務内容によって仕方のない事でもあり、相手が対人間ですから当然とも言えます。
これを否定はしませんが、介護福祉士となるとこういった仕事全般において「周りから見てクールに」やっている感とでも言いましょう。
いかにも介護してますという感じを少なく、「見えない介護」を出来るようになります。
何故「介護してますという感じを出してはいけないのか?」という疑問があるかもしれません。
これは非常にナイーブな問題でもありますが、介護というのは誰も受けたくないというのが心情であり、生きていくうえであまりプラスな事象とは言えません。
ですが仕方なくも皆に平等に老化が起こり、場合によっては介護を必要とするでしょう。
言ってしまえば「仕方なく介護を受ける瞬間」も、少なからず発生する訳です。困ってはいるけど、人にあまり知られる事無く助けて欲しいというところです。
こんな時やはり「いかにも介護されてる見え方」よりは、「介護されている事すら知られずに」援助されるなら本人のプライバシーにあたる部分は保護されます。
介護施設に入っているから当然!というような、少しさびしい考え方では介護の現場が死んでしまいます。
こういったところに気を配り、スマートに介護をこなすのが介護福祉士の役割かもしれません。
これを見て介護の経験が浅い人間は成長し、また「自分も介護福祉士を目指そう」と考えるのです。
この連鎖が介護の現場を高めているとも言えます。
同じ仕事をしているが気持ちばかりスマートに、そんな役割が介護福祉士です。
介護福祉士の資格を取得する→職場の盛り立て役!?
介護の現場は正直「ネガティブな一面」が垣間見える瞬間がたくさんありますし、実際そうあります。
世の中を見ていて歩けない人や、認知症の人はそんなに目にしないと思います。それはそういった人間が「施設にいるから」です。
「社会全体で受け入れきれない部分を受け入れているのが介護施設でもある」と言えます。社会の困り事に対する担い手でもあります。
そんな隠れた要素がある介護施設ですから、やはり「暗くなる瞬間」が多々あると言ってもいいでしょう。
「介護=明るく楽しくしなくてはいけない」なんて間違ってますが、やはり明日も介護をしなくてはならない現実は変わりません。
そして何よりサービス業でもありますから、険悪なムードで湿った表情ではいけません。
そんな時盛り立てる役が介護福祉士であると言えます。ではどうやって盛り立てるのか?
これは介護経験者からもよく聞かれます。
答えは無いのかもしれませんが、あえて言うなら「人より率先してやること」が自然と盛り立てる事に繋がると筆者は考えます。
介護の仕事は比較的全般において「難儀な仕事」が多く、汗かいて苦労する場面がほとんどかもしれません。
言い換えるならそれだけ重要な仕事なのです。
介護の現場では「だれる」事がしばしばあり、それでも誰かがやらなくてはいけない事には変わりません。
そこで我先にやってしまうのが介護福祉士になります。やらなくてはなりません。
介護の仕事を目指して現場にいる人間は、経験の量に関係なく「人のために何かしたい」と考えた経緯を共通して持っています。
仕事の多忙さで少しだけ見失ってしまう事があり、そんな中現場の誰かがやりたくない事を率先してやるとします。
何故か「自分もやらなきゃ」という忘れていた気持ちに駆られます。現場の気持ちを前に進めるという表現が分かり易いでしょうか。
結果、先に何でもやってしまう事で盛り立てる事に繋がるのです。
特に介護の事例においては同じケースが二つとなく、初めてとなるケースもたくさんあります。
そんな時に道しるべとなる先駆者が介護福祉士でもあるのです。現場は常に「どうすればいいんだ?」という疑問が絶えません。
先駆者のおかげで「そうすればいいんだ」と、多少の「安堵感」を植える必要があります。この安堵感が現場を回していると言っても過言ではありません。
介護福祉士という少々お堅い名称が難しい資格と棚上げし、また少し勘違いを生んでいるのも現状です。
しかし介護の現場で活躍する事には変わりなく、仕事内容も大きな変化はありません。でも「何を持って介護福祉士とするのか」、これは気になるところでもあります。
取得した筆者が「介護福祉士を感じた瞬間」は少なく、次第に「考え方や捉え方」が違うものだと分かりました。
技術面においては当然ですが、いざ現場でうろたえない姿勢と心構えが介護福祉士には備わっています。
同じ介護者である事には変わりませんが、ちょっとしたオーラみたいなものが違うのかもしれませんね。