介護士未経験者にベテラン介護士の私が伝えたい事
「介護」のイメージ
介護の仕事と聞いて、「3K」という言葉を想像する方もいると思います。
「きつい」「きたない」「きけん」です。
ましてや一般の方々から見ると、さらにきついイメージがありますよね・・・。
入浴、排せつなどの介助、夜勤などの不規則なシフト、トラブルの恐怖・・・。
「自分にできるのかな」と不安に思ってしまいますよね。
未経験者でも大丈夫
しかし、結論から言えばできます。
相手も私たちと同じ社会で生活してきていた人間ですから。
体力が必要な時ももちろんありますが、「ありがとう」「あなたにしてもらえてよかった」などと、直接感謝してもらえる仕事はなかなかありません。
仮に利用者さんとコミュニケーションをとる場合でも、無理矢理に気を遣ったり、笑顔を作る必要はありません。
利用者さんは私たちが想像している以上に相手を観察していますので、思いやりを持って接していれば、トラブルになることもありません。
相手を子供扱いせず、目上の人であるという意識を持っていれば、相手にも伝わります。
利用者さんとも長いつきあいになります。
もしミスをしても周りのサポートを受けながら、信用を取り戻すことができます。
慣れれば誰にでもできること
入浴や排泄などの介護技術は、最初は戸惑ったとしても、すぐに慣れます。
私も1回目は驚いてばかりでしたが、2回目、3回目と回数を重ねていくうちにすぐに慣れてしまいました。
最初から先輩方と同じスピードで仕事をさせられることはありません。
まずは「安全に気をつけながら仕事する」を意識していれば間違いはないです。
先輩方も同じ道を通ってきていますので、たくさんアドバイスをしてくれます。
介護を未経験からやるために必要なこととは?
いざ介護の仕事をしようと思っても、何から始めたらよいかわからないこともありますよね・・・。
おすすめとしては、「介護職員初任者研修」の資格をとることです。
この資格は「ホームヘルパー2級」と呼ばれていた資格です。
求人でもこの資格を持っていると採用される確率は大きく上がります。
まずはお近くのスクールに相談することをおすすめします。
この資格を持つことにより、40~50代になっても働きやすくなります。
そして3年実務経験を積み、「介護職員実務者研修」を受講すると、国家資格である「介護福祉士」を目指せるようになります。
介護福祉士になるメリットは、その資格を持っていると転職する際にも採用率が格段に上がります。それだけ信用が高いということですね・・・。
また給与も上がり、待遇面でも期待できます。
そして実務経験を5年積むと、介護支援専門員(ケアマネージャー)を目指すことができ、相談業務などの「現場以外の道」も開けます。
なぜすぐ辞める人が多いのか?
介護職と聞いて、「離職率が高い」という話をよく聞きます。
その理由を述べたいと思います。
辞める理由1 給料が安い場所が多い
これは本当によく耳にする言葉です。
正社員といっても基本給が安く、賞与も寸志程度の職場は確かにあります。
「聞いていた話と違った」「こんな待遇だと聞いていなかった」
このような不満から離職する方も多いようです。
対策を考える
この場合は、面接時にしっかり確認することが大切です。
無職の場合、「とにかく採用されたい」という焦りから、面接でもあまり不利になるようなことは言いたくない傾向にあります。
気を遣いすぎてしまい、「大丈夫です」「できます」という言葉が連発してしまうこともありますよね。
質問しづらいでしょうが、自分の知りたい点はしっかり質問をしておくべきです。
採用する側も、そのような質問で不採用にすることはないはずです。
相手の返し方により、あやふやにされるようであれば、そこで会社側の質を見抜くこともできますので、おすすめです。
入所施設は24時間体制となっているので夜勤勤務もありますが、その分「夜勤手当」がつきますので、日勤だけの職場よりも高収入が望めます。
辞める理由2 人間関係がよくない
これも本当によく聞く理由のひとつです。
私の経験からも、このケースで辞めている人とよく出会いました。
介護はひとりでおこなうものではなく、チームプレーとなるので、この箇所を気にしておられる方も多いと思います。
セクハラやパワハラなどは論外です。
自分を守るために・・・勇気を出して上司に相談しましょう。
ここでは日頃の人間関係を築いていくコツを述べたいと思います。
対策を考える
「口は災いの元」という言葉があります。
職員同士の会話の中で、どうしても他の職員の話になってしまう場合があります。
そこで会話の波に乗ってしまい、自分の口からも発言してしまうことがあると思います。
その内容が他の職員さんに伝わってしまうと・・・つらいですよね。
自分の発言はできるだけ控え、聞く側に徹すると、スムーズに流れることが多いです。
相手に気を遣って無理に発言する必要はありません。
現場では口数の少ない職員でも、時間を重ねていくうちに人間性が相手にも伝わります。
口数が少なくても、思いやりを持って行動に移すことが大切です。
自分が相手を見るように、相手も自分のことをよく見ていますよ。
増えてきている出会い
「出会いも大切にしたい」という方もいると思います。
元々介護の仕事は女性職員が多く、男性職員はとても少なかったです。
ですが近年、入所施設の職員にも男性職員も働いている職員が増えてきています。
職場での出会いから結婚されている方もたくさんいます。
私も長年現場を経験しましたが、本当にたくさんありましたよ。
入所施設は半々ぐらいの比率になってきていると思います。
特に入所施設は職員の数も多いので、おすすめしたい場所です。
介護の求人情報の探し方
いざ資格を取って、働きたいと思っても、採用してもらえないかもしれないし、不安も残りますよね。
私のおすすめとしては、介護の人材派遣会社に登録しておくことを強くおすすめします。
理由として、自分の希望に合っている(出勤日数、時間など)をひとりで面接をして伝えても、会社側にはなかなか聞いてもらえない場合があります。
そこで派遣会社に登録して自分の希望を先につたえておくことで、担当者がきちんと条件にあった求人を探してくれた上で連絡してくれます。
また、派遣先で困ったことなどや不明な点は、担当者に相談することでサポートしてくれますので、ひとりで悩む必要はありません。
私も何度も派遣会社にお世話になったので、本当におすすめです。
おわりに
私自身、最初は介護はあまり好きではありませんでした。
そして最初は不安と恐怖もありました。
ですが、資格をとって介護を続けていくうちに、様々なことを考えられるようになり、そして観察力がつくようになりました。
そして人は必ず歳を重ねていきます。
介護の知識は日常でも本当に役に立ちます。
自分の両親の老後にもアドバイスできるようになります。
いざ職場を離れたとしても、知識や技術は残りますので、いつでも使うことのできる財産になります。
ブランクがあっても復帰しやすい仕事です。
定年後の年齢になっても続けることのできる職種なので、生活には困らないでしょう。
「介護をやってみたいけど悩んでいる」という方、一歩勇気を出して介護の世界に飛び込んでみてはいかがでしょうか。
手に職をつけたい方へぜひおすすめします!