サービス提供責任者とは? 介護士の上級資格
サービス提供責任者の役割とは
要介護者の方が在宅での生活を継続するには色々な援助が必要です。
介護の現場で言いますと、最たる例がホームヘルパーですが、このヘルパーさんも手当たり次第に介助をしているわけではありません。
例えば入浴介助サービスが必要なのに、家事援助などの全然違うサービスをしても相手方は困りますよね?
そこで、この人にはこのようなサービスが必要ですよと指示する人間が必要になってきます。
それがサービス提供責任者(サ責)と言われるものです。
ここではサービス提供責任者について説明していきたいと思います。
サービス提供責任者はどうすればなれるの?
ある一定の資格取得をしておかなければならず、資格によっては経験年数が必要な場合があります。
一つは介護福祉士及び実務者研修を修了した方。
次に2013年3月31日までに介護職員基礎研修及びヘルパー1級を取得した方
最後に介護職員初任者研修(旧・ホームヘルパー2級)修了+実務経験3年以上を満たしている方になります。
ここで注意していただきたいのは、最後の介護職員初任者研修(旧・ホームヘルパー2級)修了者の場合ですが、この方がサービス提供責任者になると事業所の介護報酬が10%減算となりますので、他の資格を取得することをオススメします。
サービス提供責任者の仕事内容って?
サービス提供責任者は訪問介護ステーションに配置が義務付けられています。
仕事内容としては、大きく分けて4つになります。
一つ目は「訪問介護計画」の作成です。
居宅支援事業所等のケアマネージャーから訪問介護の利用を要請があり、それに基づき自宅を訪問します。
本人様・家族様が現在どのような状況下で介護サービスが必要とされているのか、どんなサービスが提供可能であるかを決定、次にそのケアプランを手渡されます。プランに準じて「訪問介護計画書」を作成し、本人様にサービスを提供します。
その後計画書の内容を評価し、必要に応じて再度計画を立て直します。
二つ目はヘルパーさん達の取りまとめです。
ヘルパーさんの勤務表作成に始まり、仕事上での不満や相談などの確認及び対処をします。
また、サービス提供責任者はヘルパーを兼任している場合が多いので、ヘルパーさんが何らかの理由で勤務出来ない場合はピンチヒッターで介護業務に当たる事があります。
三つ目は本人様・家族様との相談業務です。
本人様や家族様に定期的にヒアリングを行い、不満点はないか?困り事はないか確認していきます。
また、在宅で使える介護技術の伝達などを行い、在宅生活を円滑に送れるよう支援を行います。
四つ目はケアマネージャーとの連絡調整です。
本人様及び家族様の現在の状況を報告・連絡し情報を共有します。
また、訪問介護を行っていく上でサービスの必要性が感じられない、若しくは適切なサービスを提供することが出来ない状況に陥る場合があります。
私が経験した案件では食事援助に行くが、お酒をしたたかに飲んでおり酌をしろとヘルパーさんに強要したり、拒否すると暴言が見られました。
何度か警告を発したのですが、効果が見られず担当ケアマネージャーとともに訪問し、サービス打ち切りを宣言しました。
(その後本人様は市役所の窓口でトラブルを起こし、警察に連れて行かれました・・・)
他にも給付管理などの細々とした仕事はありますが、メインとなる仕事はこの4つになります。
介護現場の仕事がつらくなったらサービス提供責任者という道もありますよ。
皆さんご存知の通り、介護の現場は身体的に多大なストレスがかかってきます。
現場に出ていると、腰を痛めてしまい動けなくなってそのまま介護の仕事を離職する場合があります。
私も一時椎間板ヘルニアになり、車の運転も出来ず親に病院への付き添いを頼んだほどでした。
いかに介護の仕事を続けたいと思っても、体を壊しては元も子もないですよね?
そこで、サービス提供責任者に就任し身体的負担を減らすと言う方法があります。
もちろん、コーディネートや書類の多さに追われたり、ヘルパーさんの代わりに仕事に入る時はありますが、そこまで頻度も多くなく体への負担は軽減されるかと思います。
また、給与についても責任者という事でアップする場合も多く見られます。
■最後に
いかがでしょうか?
要介護者の在宅生活を継続する為に必須ともいえるヘルパーですが、一人一人にあったケアを行わないと意味がありません。
本人様・家族様とコミュニケーションを図り、関係各所との連携を密にすることでよりよい生活を提供する、それがサービス提供責任者なのです。