30歳で介護職に転職成功!!介護職体験記
私の介護の原点に咲く「白バラ」
デイサービスで働き始めて1年がたちます。
30歳で一念発起し、2年制の介護福祉士養成講座を受講しました。
介護福祉士免許を取得し、すぐに働き始めたのが現在のデイサービスです。
まだまだ新人介護職員ですが、様々な利用者様に関わらせていただきました。
思い出すのは、亡くなった方々です。
1年間に4名の利用者様がお亡くなりになりました。
その中に「白バラ」と呼ばれていた、とても美しいおばあちゃまがいました。お名前はK田さんと言います。
おんとし90を超え、認知症が進行していました。嚥下力(飲み込む力)低下による栄養不足から、ガリガリに痩せています。
人見知りが強く、初対面の介護職員が入浴介助をすると「こわいー」「寒いー」と叫んで嫌がります。
しかし、そんなときは同じ目線まで腰を落として、手をにぎり、やさしく声掛けをしました。
「K田さん、お手伝いさせていただきます。しっかりやりますから、安心してくださいね」と何度も声掛けすると、私の手のひらをご自分の頬にすり寄せてくださいました。
二人だけの脱衣場で、私はK田さんを包み込むように抱きしめました。白髪の、とてもきれいなK田さん。その手指は長く、白く、美しく。かつてタイプライターとして花形の仕事につき、たくさんの男性を魅了したという「白バラ」の在りし日が、脳裏にうかびました。
それから3ヶ月後、食事が喉を通らなくなったK田さんは、次第に衰弱し、病院で息をひきとりました。
自分の接し方が正しかったかなんてわかりません。しかし、「会えなくなる日が来ても、後悔しないように。この奥深い仕事を続けていこう」と思うのです。
「白バラ」は私の中にいつまでも咲き、原点に引き戻してくださるのです。
介護福祉士養成講座を卒業して、私は迷うことなくデイサービスを選択しました。
持ち前の社交性を活かせるのではないかと考えたからです。
ハローワークやインターネットの求人サイトを利用したのですが、今思うことは、個人で仕事を探すより、人材派遣会社を利用するほうが良かったかな、ということです。
そのほうが様々な現場を知ることができたかもしれません。最初から「ここしかない」と考えて就職すると「他の職場のほうが自分に合っていたのではないか」という迷いが生まれやすいのです。
最初の間口は広いほうが絶対に良いです。
次回転職する機会があれば、人材派遣会社を利用したいと、現在は考えています。