介護のオープニングスタッフ体験談
私がいちばん最初に就いた介護の仕事は、有料老人ホームのオープニングスタッフでした
まったく未知の世界に飛び込むわけですから不安でいっぱいです。
そこで、キャリアの違いこそあれ、みなが新人で一緒にスタートできる新規オープンの施設を選びました。
実際に働き出すと期待どおりの状況で、スムーズに介護の仕事を始められました。
施設によって異なると思いますが、オープンまでの仕事は、研修や内覧会、施設内の備品の準備などです。
スタッフで相談して決めていくことも多く、最初からかかわることで、仕事の流れや手順などを覚えやすいという利点があります。
その過程で施設長やナースも含めたスタッフ同士のコミュニケーションをとることが多くなり、自然と人間関係もうまくいきました。
一緒に立ち上げてきたという思いが、オープニングスタッフ特有の絆を作るのだと思います。
オープニング時に施設が満床になることはありません
少しずつ入居者の方が増えていくので、顔や名前が覚えやすく初めからつきあえるというメリットもあります。
初めての職場で働くスタッフと、新しい場所で生活を始める入居者の方……。
そこには不安とともに、うまくやっていきたいという共通の思いが漂い、親密な空気が流れます。
オープニングスタッフとして不慣れな私に、ご老人の方が優しかった
目の不自由な高齢の女性をトイレにお連れしたときのことです。
私が「これで大丈夫ですか?」と問いかけると、私の手をぎゅっと握って「私は大丈夫よ。あなたは大丈夫?」と言われたことがありました。
慣れない仕事で緊張の日々を送っていたせいか、思わず涙がこみあげてきたこと、そのときの状況やその方の表情を今でもはっきりと覚えています。
父の介護のため、その職場は辞めざるを得なくなったのですが、その後はもっぱら人材派遣会社で就業するようになりました。
インターネットで興味のある派遣の仕事を見つけ、その派遣会社に登録に行きます。そこでは希望した職場以外にも、条件や経験にあった仕事を紹介してくれます。
担当の方は一緒に面接にも行ってくれ、職場で困ったことがあったときには相談にものってくれます。
私のような経験の少ない者にとっては、これほど頼りになる存在はありません。