訪問介護で得られるもの~対価では測れない何かとは?
介護職への挑戦!介護人として生きていく~訪問介護で学べる事編~訪問介護の体験記
念願の?訪問介護への転職を果たしました。訪問介護を通してしか学べない事も沢山あります。
施設介護と訪問介護の狭間にある「違い」について考えてみましょう。
訪問介護における奮闘 その1
訪問介護では調理の依頼も比較的多くなってきます。
これも「限られた条件で」実施しなくてはならないため、冷蔵庫の材料で何かを作らなくてはなりません。
断言出来るほど、これは女性の介護員が有利と言えます。というのも、作れるスキル云々の前に「男性が出来るという認識」が利用者やその家族にありません。
現代において昭和初期から中期の年代が高齢者となっています。
そのため「男性が調理」という意識があまりなく、これは当たり前です。
その部分から既に男性介護員がマイナススタートであると言えます。これは拭えません。
訪問介護において、その全般で「男性介護員の訪問」にハードルがあると言えます。
訪問介護における奮闘 その2
訪問介護において「訪問先家庭のルールは厳守」となっています。訪問介護には介護手順書なるものが設定されています。これは介護保険に則って作成されます。
中身としては、訪問時から退席までその限られた時間を何の介護(作業を含む)に使うかを事細かに書かれたものとなっています。
大袈裟に言うと、これを見れば誰が行っても介護出来る内容になっています。そのため、時間にムダが無いように5分単位で書かれています。
ですが「手際」が良くないとその手順書通りには進める事が出来ません。従って自己のスキルが問われる事にもなります。
管理者とは言え、先輩ヘルパーさんについて訪問して覚える必要があり、それはもう見ていて無残なものであったと言えます。
訪問介護の透明性
訪問介護だけに限らず在宅介護において問われるものが「透明性」になります。これは今後も必ずついて回る課題とも言えます。
理由として、訪問しているその時間は利用者と介護員だけとなる瞬間が多く「何をしているのか保証がない」という事です。
これは訪問介護が持つ性質にもなるかもしれませんが、これが要因となってトラブルとなるケースも少なくありません。
介護のセクハラ問題
例えば、介護における男女間の問題です。
これは主に男性利用者と女性介護員の間で起こります。
単身男性の家庭に女性介護員が訪問してセクハラ的言動や行動が見られた、という事例は数多く聞かれます。
どこまでいっても利用者は要介護者であり弱者です。
そのため、介護員がどれだけ被害を訴えても社会的には利用者が優位となります。
従ってこういったトラブルは日常的に存在すると言えます。では何故世の中では聞かれないのか?が疑問になってきます。
これはやはり「社会的観点から弱者を吊るせない、介護員の被害としても取り上げにくい」という点があるためです。
仕方のない事と泣き寝入りする必要もありませんが、これらをさらりとかわせる介護員となれれば理想的と言えます。
訪問介護で得られるもの、対価では測れない何かとは?
施設介護に比べると、比較的介護度が低くなり身体的介護に関わる瞬間は少なくなってしまいます。
では、訪問介護における介護員としてのスキルは何か?そう考えると一体何なのでしょうか。
筆者が考える一番は「利用者の個を見つめ、要介護者に合わせる生活という介護の原点を感じられる」事です。
介護とは今の時代でこそ一般的かもしれません。でもその言葉の定義に「仲立ちをする」という意味があるのを知っている方は少ないのかもしれません。
生活とは本来、人間が生きていく上で営む行為であり当たり前の事です。
でも高齢者となり不自由が出てくるとどうでしょうか。
高齢者であれ、天寿を全うするために「生きていく」事はしなくてはなりません。
しかし不自由という、意としない理由によりその当たり前である生活が出来ない、もしくはしにくい状況になります。
その状態にある高齢者と「自宅での生活を継続する事を仲立ちする」のが、訪問介護の務めであると考えます。
その仲立ちが上手くいった時、感謝の言葉は無くとも「生活が継続出来ている事で自宅に居られる当たり前」を提供出来るという事です。
介護を必要としない日常は当たり前かもしれませんが、いずれ来る終焉を少しでも遅らせる事が出来るなら皆が望むはずです。
そしてそれは出来る事なら、自宅での生活でありながら遅らせたいと思うでしょう。
その立役者となるのが訪問介護における介護員(ホームヘルパー)であると言えます。
施設介護に対して益々需要が増え続ける訪問介護
国として、正直なところこのままでは介護保険は破たんと言われています。これはどのデータを見ても同じと言えます。
現状から未来を考えて、打開する策となるのは「自宅での生活、終焉」と言われています。
簡単に言うと、国として施設介護は費用がかさみ在宅介護は費用が軽減出来るという事です。
どこまでいっても報酬が発生している以上、介護にはお金がかかります。
これからの将来、報酬の無い介護というのは考えられません。
自分がどこまで介護をしたいか?継続していけるかを図る上でも介護の入り口としてあまりハードルは高くありません。
非常に入り易い介護サービスの種類でもあります。