訪問介護の達人が伝授！訪問介護の仕事内容はどういうもの？

訪問介護を実際にやっている人が感じるやりがい

（訪問介護員として勤続五年の深沢さん）

勤続五年の深沢さんは、最近、利用者のお宅を訪問して帰る際に、高齢者から「ありがとうございました」とか、「また、よろしくお願いします」とか、ていねいに頭を下げられる姿に接し、切ない思いにかられるそうです。
　「人生の大先輩が、若い私に頭を下げられる姿る見ると身につまされる思いがするのです。自分自身では思うように体が動かなくなり、他人の手を借りないと生活できない状況です。そういう姿を見ると、もっと何かできる事はないかと思うのです。」
　たとえば、一人暮らしでほぼ寝たきり、自分では自由に動きまわれない状態なのに、在宅で生活していきたいという強い意思をもっている方を、たんに「わがまま」と切り捨ててしまうのではなく、その方がどういうことを必要とし
ていて自分には何ができるかという方法論で考える事です。

一般に、介護援助を必要とするケースの場合、すでに体調を悪くされているケースが多く、訪問回数が少ないと十分にお世話できないうちに亡くなられることもあります。

訪問回数については、介護度が関係してきます。

介護度で認定される数字、つまり要介護度４とか、要介護度５とかの数字によってサービスを利用できる金額が違ってくるので、数字が低くなれば相応の回数しか訪問介護サービスを使えないわけです。

訪問介護がお年寄り宅に導入され、ホームヘルパーが行くまでの流れ

まず、ケアマネが要介護者を診て、どういうサービスが合っているのかを判断します。

ホームヘルパー＝訪問介護が必要かどうかは、ケアマネが判断して決めます。

日常生活上の問題がある場合、対象の家庭にホームヘルパーが派遣され、日常生活で必要な部分をサポートする事になります。

人によっては日帰り介護（デイサービス）、もしくは短期入所介護（ショートステイ）を利用した方がいいという人もいます。結局は利用者の満足ありきです。

要介護者（またはその家族）と相談の結果、ホームヘルパーの派遣が必要なケースになってはじめて訪問介護＝ホームヘルパーの出番です。

訪問介護員の１日

上記の深沢さんの一日を追ってみました。

　午前８時３０分に出動。まず、高齢者ホームヘルパー派遣の調整、窓口での相談・受付、関係機関との連絡・調整、個別援助計画の作成などをこなしているうちに、正午になります。

午後からは、利用者宅を訪問します。利用者が入院している場合、病院や関係機関を訪問する事になります。

学生のころからめざしていた老人介護の仕事につけたいま、深沢さんの毎日はとても充実しています。

将来的には痴呆性老人の方たちのケアに取り組んでみたいと思っているそうです。

私自身も痴呆性老人のケア、とてもやりがいのあるいいお仕事だと思います。
何より、痴呆性老人がかわいらしのです。私は今特別養護老人ホームの職員として介護現場で働いているのですが、痴呆性老人は何も悪気があって生活しているのではなく、いろんな事をすぐに忘れてしまうから、生活していくのに問題があるだけなのです。

介護現場で働く前は痴呆性老人についての理解がなかったので、老人がかわいいと言っている人を見て、正直何がかわいいのか、と思っていましたが、介護施設で働く事によって段々とわかるようになってきました。

介護で働くうえで問題になってくる腰痛について

　「介護の仕事に腰痛はつきものです。正直、つらいこともありますが、コツを覚えることで改善されます。こちらがお世話をしている気でいるのですが、意外にも利用者に助けてもらうことも多いですよ」

この利用者に助けてもらう事も多いという点について、介護未経験の方にはわかりにくいと思いますので、少し補足します。
例えば車いすからベットに移乗するとします。
その際、介護者側が力を１０の力を出して利用者を持ち上げると利用者も介護者の方の１０の負担になります。
当然１０の負担は介護者の腰にかかってきます。

ジュウゼロ介護の禁止

ジュウゼロ介護というのは、介護者の力が10（ジュウ）、お年寄りの力がＯ（ゼロ）になってしまうことで、これがはじまると介護現場は悪循環から抜けられなくなります。

「立ちますよ、せーの」などといいながら、職員のペースでお年寄りを引っぱり上げている介護現場は少なくありません。

「声かけはしています」といいますが、声をかけるのはお年寄りが自発的な力を出すためでなければ何のためでしょう。

ジュウゼロ介護をしない事で、お年寄りの力も借りて介護する事で、利用者にとっても介護者にとってもいい介護ができるのです。

腰痛問題はストレッチや体操、慣れによってなんとかなっていく

私自身、介護業界に就職して半年位経った時に腰痛に悩まされました。私の場合、結局働いているうちに慣れてきたのですが、最初のうちは腰痛対策のストレッチや体操を多く行いました。

まぁ、ぶっちゃけた話、やってみれば慣れますよ。（笑）

特別養護老人ホームへ転職、就職を考える人に！働いてる私が特徴を解説するよ | 介護なら未経験でも就職できるよ

さて、上記の訪問介護員の深沢さんの話に戻ります。

介護業界で働く先輩の一人として、これから福祉の道をめざすあなたへこんなメッセージを寄せてくれました。
自転車で利用者宅を訪問するのでフットワークが大事です。

あと、人はだれでも年をとります。あなたの家族や身近な人も、いつかは介護を必要とします。

あなた自身も、事故にあって体に障害を負うかもしれません。介護や福祉の問題は、他人事ではなく、自分たちの問題として考えていきましょう。一人の力はほんのわずかですが、多くの人の力を合わせると、たくさんの人を援助するこ
とができます。

介護の仕事は幅広く、職種もさまざまです。あなたのやりたいことを見つけて、めざしてください。いっしょにがんばりましょう

介護福祉士になるには(なるにはBOOKS) 大橋 謙策 (著)より抜粋

訪問介護員になるには？

訪問介護の場合、介護を受ける人と介護士が一対一で接する事になるので、さすがに無資格からＯＫという訪問介護事業所は少ないです。（ほぼないと思います。私が探した限りは見つかりませんでした）

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