特別養護老人ホームへ転職、就職を考える人に!働いてる私が特徴を解説するよ
介護職をやっている人が転職を考える時には、転職先の施設の特性を考えよう
たとえば、小規模多機能施設ですと、その施設の介護職員の接し方によって、良くも悪くも大きく変わりますし、特別養護老人ホームですと、人数がやたら多い多少型と、今多くなってきたユニット型かによっても違ってきます。
目次
特別養護老人ホーム
特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設とも呼ばれます。)は、介護度の高い方が多く入っています。
利用者にとって、低料金なのが一番のポイントです。これは社会福祉法人が運営しているので、公的な税金が多額に投入されているからです。
ですが、民間のように、サービスへの磨きがかからっていないところが多いと言われています。
安く入っているのだから文句は言えない、一旦入居してもらったら、もうその人は入ってもらってるだけでお金が生まれるからぞんざいな対応でも…そんな雰囲気がある場合もあります。
介護老人保健施設
特養と同一と思われがちですが、そうではありません。特養は入ったまま最後まで看取りまで可能ですが、老健は違います。
入居するのは一時で、在宅に帰ってもらう事を目的とする施設です。
特別養護老人ホームに転職した場合、どういう仕事内容になるの?
基本的にめっちゃ忙しいです。特養で働いている私が言うのですから本当です(笑)
とんでもない人数(介護施設中、最大の介護職員:入居者の比率)を数人で相手にしますからそりゃしんどいです。
ユニット型の特別養護老人ホームですと、条件は違ってきます。
ユニットというのは9人~10一で1ユニットとして考え、個室があてがわれます。ちなみに旧型は病院でいう多床型です。
ユニット型の場合も、従来型の場合でも、正社員は夜勤もあり、結構どっちもハードです。
特別養護老人ホームって何がつらいの?
おむつ交換(=失禁交換と呼ばれます)をする人数がやたら多い!夜勤ですと、一気に10人以上変えるとかザラです。
また、人間関係のつらさも異常です。
どれくらい失禁交換を未経験者がやったら精神的につらくなるのか?
ちょっと私が介護初心者だった頃の日記をここに抜粋します。
便失禁…。すごい精神ダメージを受けます。
私は今、特別養護老人ホームで働いていて、昨日夜勤だったんですが、便失禁のストレスが半端ないです。
もうすごくキツイです。
特養を利用されている方のお世話をするのが確かに仕事ですが、本当に、心の底から人の陰部を見て、ズボンを脱がして、便がついているパンツも脱がして…。
しかもそれをひざまずいてやる…。
キツイです。
マジで私にとってはキツイ…。
ていうか、さっきまで寝てたんですが、夢の中でも介護してて、かみついてくる老人がいて、その人をつかんでアクリル板に頭打ち付けるという夢を見ました。
自分、ホントまいってるなって思います。
肉体労働が多い特養
上記のような精神的なつらさもありますが、休憩取る時間がホント最初はわからないので、肉体的には全然休みがない事になります。
休んでいいタイミングってあるのですが、介護未経験な人だとそれがわらなくてつらいです。
介護の人間関係のつらさ
基本的に、介護やってる人って、他の職場で勤まらなくてきてたり、低学歴(失礼)な方が多いです。
…その職場でしか働いた事のない人や、いろんな職場を転々としてきた人が多い…いえ、一言で言うと、いろんな人がいるんですね。
変な人が上司にあたる確率の方が高いと思って下さい。
いい上司、働きやすい職場で働けたらラッキー、位で考えた方がいいです。
特別養護老人ホームの仕事内容 理想と現実は違う
本当に理想と現実は違います。
普通、ヘルパー2級取る時とかに以下のように教わります。
ジュウゼロ介護の禁止
ジュウゼロ介護というのは、介護者の力が10(ジュウ)、お年寄りの力がO(ゼロ)になってしまうことで、これがはじまると介護現場は悪循環から抜けられなくなります。
「立ちますよ、せーの」などといいながら、職員のペースでお年寄りを引っぱり上げている介護現場は少なくありません。
「声かけはしています」といいますが、声をかけるのはお年寄りが自発的な力を出すためでなければ何のためでしょう。
こんな風に介護を教えてもらうのですが、実際の特別養護老人ホームでは、職員、めっちゃ忙しいです。
限られた時間内でやらなきゃいけない、ちょっとでも動作が遅いと先輩介護職員からのプレッシャーを感じる(まぁ、これが最大の理由ですね。)
とにかく早くやらないといけないので、介護度の高い老人の立ち上がり行動とか、車いすへの移乗行動を待ってられないのです。
理想の介護って?
ジュウゼロ介護ではなく、お年寄りの残存能力を適切に引き出し、段階的にお年寄りの比率を増やしていくのが理想の介護です。
やりすぎる介護の問題はたくさんあります。
一つは、お年寄いのかとお年寄りに思われると、せっかくの介護が仇になります。その結果、悪循環に陥って日常の業務がまわらなくなり、その過程で介護者は腰を痛め、果ては寝たきりをつくるのに手を貸してしまう結果になるのです。
かといってリハビリになるから何でも自分でしなさい「動かないほうの手も使わなきゃだめです」ではいけません。
まぁ、でもお年寄りと一言で言っても、いろんな人がいます。私が知っているお年寄りは自らリハビリ熱心な方で、朝起きたら麻痺側の手をもんだり、間接をできるだけ動くように、動く方の手で手を開くようにしたりと頑張っている人もいます。
そういう意欲のある人なら別なんですけど。
お年寄りが「生き活き」とするためには、やらなければならない介護とやってはならない介護の見分けが大切です。
別に特別養護老人ホームだからってできない事は全然ないですよ。むしろ、理想を持ってやってる人の方がすばらしいと言われる風潮はあります。
ですが、時間的に、雰囲気的に、ゆっくりできない日もたくさんあります。
ジュウゼロ介護をやめ、お年寄りに力をうまく使えるようになっていってもらい、だんだんお年寄りの力が増えていけば素晴らしい介護です。
(参考資料:一部抜粋:完全図解 新しい介護 (学術図書メディカル) 三好 春樹著より)
教科書的ではありますが、ジュウゼロ介護はホントに理想ではあります。
特別養護老人ホームの給料
特別養護老人ホームは給料がいいところが多いです。
具体的には手取りで20万~24万位いったりします。
ボーナスもかなりあります。具体的には特定されるの怖いので、書きませんけど。
全体的に、特別養護老人ホームの母胎って社会福祉法人が多く、社会福祉法人って留保金が平均300億あるらしいので、お金があるところが多いのです。
未経験から介護職をやるなら特別養護老人ホームがオススメ
私自身、未経験から初めてやったのが特別養護老人ホームでした。
実際、介護を初めてやってみる場合、特別養護老人ホームなら採用の門戸が広いので採用もされやすいです。
給料から考えるならおすすめな特養
未経験で介護やってみたいけど、給料安いしなーって思っている人は特養の中から給料が高いとこを選ぶといいと思います。
もちろん、昇給の為の転職にも特養はオススメです。
転職をちょっとでも考えられる方はこの記事をご覧下さい。ベテラン介護士の転職を間近で見て思ったこと