ベテラン介護士の転職を間近で見て思ったこと
ベテラン介護士の転職を間近で見て思ったこと
私自身、介護士として働いていて、現場を去って転職していく人を間近で何人も見ました。
辞めていく人っていうのはなぜか美しく映ります。
介護転職者の事
私が見た転職者は、就職してから10年以上特別養護老人ホームで働いてきて、それをやめて、同業の介護業界だけれども、違う会社の違う施設に転職していくという人でした。
当然かなり長い経験があり、その人自身にもこの業界でやっていくんだというオーラが出ていました。
同じ介護士の立場から見ても、その人の仕事っぷりはとても良かったです。
きっと転職した今でも転職先の職場でバリバリ仕事をされていると思います。
そのベテラン介護士が転職する事になった理由
その人に、どうして転職する事になったんですか?と聞くと答えてくれました。
その職場の中でどうしても許せないことがあった事、大きな異例命令があった事がその人が転職を決めた理由、という事でした。
介護士は売り手市場、働き手に介護経験と資格があれば、いつでも辞めて他に転職できるのです。
私が見てきた、転職していった介護士の実例と共通点
介護業界が人手不足であることは社会問題にもなっており、周知の事実です。求人は常に介護職であふれているといっても過言ではありません。
未経験で新しく飛び込むにも敷居の低い業界ですが、経験者の転職がとにかく多いのもこの業界の特徴ではないでしょうか。
この間まで○○にいた人が、今□□で働いているという例が全然珍しくないのです。経験がイコールスキルとして認められるからでしょう。
Aさんは、出会ったときはとあるヘルパー事業所で管理者をしていました。利用者思いでしたし、いつでも相談に応じてくれるフットワークの軽さがありました。
しかし1年ほどして、新規のデイサービスの立ち上げを手伝います、と、今度はデイの管理者の名刺を持って挨拶に。現場の知識もありつつ営業のノウハウもあったのか、そのデイも2~3年後には満員の人気デイに。
ここは後で聞くとヘルパーのときの仕事ぶりを買われて引き抜かれたそうです。
その後ケアマネの資格を取りましたので、と同系列のケアマネ事業所へ。
ここは転職というより異動でしたが、3年ほどして自分でケアマネ事業所を立ち上げ、今は現場兼経営者として、地域では知らない人がいないくらい有名な人物になりました。
Aさんほどではないですが、こういった例はよくあり、同じ人の違う会社の名刺が何枚も集まったりします。
私が実際、介護業界内で転職してわかった事
かくいう私も、介護業界で17年働いていますが、転職は相当数しています。
各種施設、デイ、ヘルパー、そしてケアマネ事業所などなど、10回近くの転職回数です。
転職してみてわかることですが、経験したことで無駄になることは何一つありません。
介護職は人相手の仕事ですし、まったく同じ人がいないのは当たり前ですが、過去の経験が生きる事はたくさんあります。
例えば、ものすごく帰宅願望の強い利用者がいた場合、過去に同じような人を何回か経験していれば、たくさんのアプローチの仕方を試すことができます。
一緒に帰るから待っててくださいといって成功したこともあれば、鍵の開け方わからないんです、ごめんなさいで許してくれる人もあり、とりあえず一緒に外にでてみたら落ち着く方もおり。
あの人はこうしたら落ち着かれたな、という経験が新しい職場でも生かせます。
各施設によって記録の仕方や介助時の方法も様々。物品ひとつとっても、この施設では当たり前だけど次の施設では知られておらず、経験者として教えることで改善したりもします。
一度でも介護職を経験していれば、介護技術等に関しては体が覚えているので、どこにいっても通用します。
同じような仕事でも、当たり前ですが利用者が変わるので新鮮さがあります。
転職が悪ではないのが介護業界のいいところだと思います。
介護業界内での上手い転身方法
どの業界でもそうだと思いますが、上手く転身しキャリアアップしていこうと思ったら、とにかくきちんと資格を取ることです。
はじめは無資格でもかまいませんが、転職していくならまずは初任者研修から取りましょう。
私の場合は、はじめはまったくの素人で、旧ホームヘルパー2級で働き始めました。
もちろん給料は底辺でした。
3年経験を積み介護福祉士を取得、これで仕事の幅はぐんと増えます。
転職にもかなり有利です。
相談員やサービス提供責任者もできるようになります。
訪問介護をするにあたっては、ガイドヘルパーも取りました。
これは三日ほどで取得できますが、障害者のヘルパーをすることができます。
5年働いてケアマネを取得するともう少し箔が付きますが、なにぶん合格率も低いですし、取得後の研修や更新も大変なので、ケアマネをする気がない人はそこまでいらないかなと思います。
ただ、介護福祉士はとりあえず受験しましょう。
今の介護保険は、介護福祉士のいる施設には加算が付くので、給料にも反映されますし、採用もされやすくなります。
あとは資格を手に、自分にあった職場を上手に選びましょう。
介護職は資格か職歴さえあれば、どこにでも転職して渡っていける
私がその人を間近で見て感じたのは、介護士ってホント、経験あればどこでも移っていけるんだなぁって事でした。どんな職場でもそうなんですが、サラリーマンって職場で何か嫌な事あった時でも耐えるのが基本的な対応だと思います。
でも長くやってる介護士の場合は、嫌な事があった時に、我慢せずに職場を変えるっていう選択ができるんだなぁっていう事を感じました。
で、その長くっていうのはどれ位の期間かというと、3年以上が長いか短いかの境目だと思います。
今、介護士を3年以上やってるっていう人で、何か腹に据えかねる事があるという人は、以下のサービスを使って他の介護施設の情報を集めて転職を視野に入れてみるといいかもしれません。