苦しい介護の仕事を楽しい介護の仕事にする方法
介護とは苦しい仕事、そんなイメージが殆どだと思います。
実際に「楽しい仕事ではない」という場面が多くなってしまいます。
何故か。
それを考えると、楽しい介護のやり方が見えてくるかもしれません。
少し考えるだけで介護の見方は変わってきます。
前向きになれる、そんな方法をお教えしましょう。
苦しい瞬間を感じる介護とは
介護をしていて苦しいと感じる場面を思い浮かべてみましょう。
それはどんな介護にも共通して、「介護相手が意に反して」介護を受けてくれない時だと言えます。
食事を食べさせる介護をした時、イヤだと言って断られては苦しく感じます。
入浴にしても、トイレにしてもそれは同じでしょう。
「あなたのためにやっているのに、何故分かってくれないの?」という瞬間です。
正直なところ、これほど苦しい場面は他にありません。
苦しいのは介護者だけではない
では「苦しい」と感じるのはいったい誰なのか?それは介護を受ける側も同じなのです。
「自分で出来た事が出来なくなる劣等感」は何物にも代え難い苦痛であり、認知症などで訳が分からなくなっても「自分は出来る」と考えます。
ですから苦しいのは介護に関わる両者ともに同じという事に行きつくのです。
介護を身内から受けるのはみじめだと感じたり、家族の負担ともなったりした経緯を考慮して今の介護システムが確立されました。
では身内や家族でなかったらそう感じないのでしょうか?
それは違います。他人から生活のお世話をされる事が決して「楽」ではありません。
もしかするともっと悲しい事なのかもしれません。
介護の仕事の中に楽しさを見つける方法
これはある種きれいごとと言われるかもしれません。それは「苦しさの理解」です。
「私はあなたにはなれない」というのが大原則であり、事実でもあります。
テレビドラマであるような「あなたの苦しさがよく分かります」なんて、あり得ない典型事例とも言えます。
ですが「理解」は出来るはずです。理解と分かる事は違います。
理解とは「理屈を通して、システムを把握すること」で、分かるとは「果ては私にもその苦しさを分けてください」というような安易な言い方です。
簡単に「分かります」なんて、無責任もいいところです。
理解することで「何がどれだけ必要か」を見極める事ができ、必要な量だけ介護する事に繋がります。
足りないピースをはめ込むような仕事になってきて、必要以上に手を貸すような介護ではなくなります。
相手からの満足を感じる言葉も違ってきますし、「最良の介護」が出来るようになります。
これは難しい事で、介護を始めた頃にこういった考え方が確立すると面白くなってきます。
介護が終わったら関係が終わりではない
熟練介護士は大きく二つに分かれます。今からお話しすることは「結果としてその後の仕事のっ仕方や楽しみ方」を左右します。
一つは、介護が終わったらさほど「余韻」もなく次へ去ってしまう介護者です。
相手の状態にもよるかもしれませんが、介護する相手は「人間」です。
会話も必要でしょう。
その会話もそこそこに、「こちらが思う介護のみ済ませるだけの関係性」では仕事自体も面白くありません。
会話に始まり会話に終わる、それが介護の流れです。人間相手なんですから。
それがないというのは「作業」でしかなく、決して面白くもないでしょう。
ですから二つ目はこの逆になります。
「話すことが面白い」と感じ、人間観察を面白みにするとその相手に対する興味が湧きます。
これを持つと次介護する時を楽しみになり、自分から進んで関係を持とうとします。
結果として仕事は楽しくなっていくことでしょう。
そもそも仕事に対する姿勢を考えてみる
介護の仕事だけに限らず、仕事とは「生きていくための生業」でもあります。
これを成就させるには雑念があると、真剣でなくなり集中出来なくなります。
簡単に言うなれば「プライベートを充実させる」ことになってきます。
時間が無い、お金が無い、余裕が無い、色々な理由から自分は自分に言い訳します。
そしてネガティブなイメージの方が楽なんです。
でもどうでしょう、全て「自分出来る事」ではありませんか。
「仕事をするために休みの充実を図る」なんて、少し小難しい言い方かもしれません。
でもそうする必要があります。
これをしっかりやらなくては、当然次の日の仕事なんて面白くありませんし、休みという目先のゴールが楽しみでなくては仕事なんて集中してやろうとも思いません。
心構えも立派な「方法」の一つなのです。結局単純なことをやるだけで仕事の楽しさが格段に違ってきます。
介護をするなら笑顔で、これは理想かもしれません。
しかし「介護こそ笑顔で」やらなくては、明日の仕事すら嫌で嫌で仕方ないでしょう。
介護を通して自分も幸せになるなんて、半ば嘘みたいな話です。
ですが、人と関わる仕事は結果として自分を育てます。
成長する事が面白くない人間なんていません。
介護の仕事は「それを望まなくても」自然と成長していきます。
面白みの可能性を持っている仕事と言えるものです。