介護士は人間関係トラブルが絶えない!私の体験談
介護という仕事は様々な職場があります。
大きく分けると3タイプに分かれます。
「入所型」「通所型」「訪問型」
入所型というのは365日その場所で生活をするという施設ですね。
特別養護老人ホームやグループホームが挙げられます。
訪問型というのはご自宅まで訪問し、ケアを行う仕事です。
ヘルパーさんとも呼ばれていますね。
筆者が勤めていたのは通所型という施設で、朝ご利用者様が専用の車で来所し、半日ほど施設で過ごし、夕方以降ご自宅までお送りするという流れの施設でした。
通所型と言葉にすると何だか堅苦しい感じがしますが、砕けた言い方に変換するならば、学業に専念するための学び舎とでもいいましょうか。
リハビリや入浴、社会的交流を目的とされた方々が集まる場所なのです。
この通所型施設、実に様々な方が利用されています。
介護度が重い方から軽い方まで。
幅広い年齢層の方々が集まります。そこに職員の年齢層も加えると一家族が出来上がる程になります。
そんな個性豊かな年齢が集まる通所型施設ですので、日々起こる出来事や問題も様々です。
次は私が実際体験したエピソードをお話ししたいと思います。
介護現場で人間関係がこじれていた時の話
人生で一度は経験するかもしれない派閥問題。
どうしても気に入らない子がいると仲間外れにする。物を隠す。無視する。
思春期特有のいじめと呼ばれるようなもの、これはいくつになっても起こるものなのだと感じました。
その女性(仮Aさん)は少々認知症が進行しておりましたが、物腰が柔らかく被害妄想などもなく、男女共に分け隔てなく過ごしていました。
ただ生まれつきの病気で弱視を患っており、人の顔を見てその場の空気を読むということが少々苦手なようでした。
お話し好きなAさんは職員とも和やかにお話しをしてくださり、利用されてすぐに打ち解けているように感じました。
それに面白さを覚えなかったのが開設当初からいらっしゃる女性(仮Tさん)でした。
Tさんもお話し好きな女性で介護度も比較的軽めの方でした。
ムードメーカーな半面精神的に少々脆い所もある女性でした。
そんなTさんなのですがAさんが利用されてからというもの、少し元気が無いように思えました。
今まではTさん中心で回っていたとも言える施設の空気がAさんの利用により少々空気が変わったような気がしたのです。
それを面白くないと感じたTさんはあからさまにAさんを無視するようになりました。
やられてつらいのが無視
何を聞かれても口を開こうとはせず、Aさん以外の方に話しかける。
周りの方々も異変に気が付きますがそこはTさんのペースです。
聞いても反応が無い、薄いと感じたAさんもいよいよ異変に気が付くのですが天真爛漫な性格なのか、何故無視するのか、何か気の障るようなことをしたのかとダイレクトに尋ねるのです。
その現場に居合わせた私を含む職員は肝が冷える思いでした。
職員は利用者間の関係性にも目を向ける必要があり、社会的な交流を目的としている方達が多い施設内でのトラブルはなるべく避けたいのです。
間に入るなどしてその場を円滑に進めることが必要なのですが、そこは女性同士何とも言い難い空気なのです。
人間関係の問題を解決してくれたのは意外にも
一触即発の空気を感じて助け舟を出してくれたのは利用者様の男性(仮Bさん)でした。
寡黙で普段はあまり会話の輪に入らない男性なのですが、この時ばかりは見かねて仲裁に入ってくれたのです。
やはり年の功と言いましょうか。
どちらかを非難する訳ではなく、両者の言い分を汲んでお互いの橋渡しをして下さったのでした。
その技には職員一同感心する他なく、その場も事なきを得たのでした。
その後もその女性二人の関係性には神経を使うのですが、女性だけの世界というのはどうも独特な世界観がありますね。
そこへ男性が仲裁に入るということでまた視野が少し広がるもののようです。
筆者が間に入ろうとしても「あなたはこちらの味方よね?」と仲間に引き入れようとします。
中間の立場として、どちらかに良い顔をしてはいけないという所にとても疲れてしまったという想いがありました。
しかし次の日にはあんなに険悪な二人がコロッと仲良くなったりします。
これには何とも拍子抜けというもので、嬉しくもあり虚しくもあり。
二人の関係性が良くなることで、施設内に張りつめていたピリピリとした空気が薄れていったので良いことなのですがね。
Bさん曰く「よくあることだから動じたら駄目だ」と教えられ、職員一同妙に納得してしまいました。
もう嫌! 人間関係で悩む事は誰にでもある事
人生で一度は皆さんこうした場面に出くわすのではないでしょうか。
若しくはその当事者になるかもしれません。
筆者も学生の頃にはよくこういった揉め事に巻き込まれもしました。
その度に「大人になればこういった諍いはなくなる」と思って我慢してきた時もあります。
しかし、脅かすようで申し訳ありませんが、年齢は関係ないようです。(苦笑)
どうしたらその場が収まるのか自問自答し、悩むことも多いですが、そうした第三者の想いとは裏腹に意外とあっさり解決してしまうことが多いのかもしれません。
筆者が何をしたという具体的な体験では無いのですが、時には意外なところから助け舟が出るものですし、人生の大先輩に任せたほうが収まるということが良く分かるエピソードでした。
人間関係悪いなぁ、辞めたいなぁって思ってても、我慢していると何か起こるかもしれませんよ。
・・もちろん、自分の体を壊す位のストレスなら、その職場は辞めて転職した方がいいでしょう。
未経験者にお伝えしたい事
介護の仕事で得られるのは給料だけではないです。
・・・様々な方が集まる場所だからこそ生まれる問題は多くあります。
育ってきた環境や、性別の違い、性格なども関係し日々様々な問題が起きます。
しかし、だからこそ人間的に大きく成長出来るのだと感じますし、何より人生の大先輩たちが集まっています。
こういう時はどうしたらいいのか等皆さん喜んで教えてくださいます。
助けを求めれば全力で応えて下さいます。
知識が詰まった本を読むよりも、得られる物は多いのではないかと思います。
そうした理由から介護という仕事は面白く、人生が豊かになるものだと筆者は考えております。
自分の人生に迷いや、悩みが出てきたら介護という職に就いてみるというのも手かもしれませんね。
そこには人生の大先輩達があなたを優しく待っていますから。