無資格未経験者が介護職をやる前に知っておきたいご老人への対応方法
介護の対象者となるご老人(利用者)の対応がきちんとできないと苦情を受けることがあります。
また、苦情を受けるだけでなく介護拒否をされた場合はその仕事ができなくなる可能性があります。
しかし、無資格未経験者でも必要最低限の対応方法を知っておくことで問題なく仕事を行うことができます。
介護職を始める方はみんな未経験からです。大切なのは対応方法を学習することなのです。
今回は介護職をやる前に知っておきたいご老人の対応方法をご紹介したいと思います。
介護職に興味のある方はぜひ参考にご覧下さい。
認知症対応は否定でなく受容が大事
認知症をもつ利用者はどこの介護サービスでも必ずいます。
認知症の方は自分にこだわりを持つ方が多いため、その方の価値観を否定してはいけません。例えば、実際はいないのに「あそこに女性がいる」と訴える方もいます。
その場合「女性はいません」と否定するのでなく、「女性がいるのですね」と受容してあげることが大切です。実際に女性はいなくても利用者の世界には女性がいます。介護の基本は利用者の意思を尊重することです。「利用者の見える世界」を大切にしましょう。
ただ、利用者の思い込みが他の利用者に迷惑を掛けていることもあります。
例えば実際には何もないのに衣服を取られたなど被害妄想をした場合は説明する必要があります。
それでも納得しなかった場合は他の利用者にも迷惑をかけるので席を離すなどして対応しましょう。
認知症利用者は幻想や被害妄想をする方が多くいます。例え現実とズレがあったとしても他の利用者に直接迷惑を掛けていなければ否定せず受容するようにしましょう。
認知症の方の世界を受容、共感することも穏やかに過ごしていただくために大切なことです。
認知症対応は無理に考えを正さない
認知症の方は実際に現実の世界にはない話をする方もいます。
また大人のように自分の感情をコントロールできない方もおり悪気はなくても面と向かって暴言をはくこともあります。
現実には他者に向かって「バカ野郎」、「あっち行け」、「うるせぇ」など暴言をはく方もおり利用者間のトラブルの原因にもなっています。
認知症の方が暴言をはいている場合、無理に考えを正しても余計感情的になってしまうので他者と距離を離して落ち着くのを待つことも大切です。
また、暴言だけでなく家族や利用者の悪口を言ってくる方もいます。
そういう時も無理に考えを正すと利用者は余計感情的になってしまうので、違うことに意識を向けて気を紛らわすことが大切です。
例えば趣味がカラオケの場合、一緒に歌を歌うことで意識が違う方向に行くため気持ちを落ち着かせることができます。
経歴が専業主婦である場合はたたみ物やちょっとした掃除を手伝ってもらうのもいいでしょう。
利用者の考えを無理に正しても余計感情的になり疲れてしまうだけです。どうしても止めたい場合は他のことに気を紛らわして言動を止めることが大切です。
危険な時ははっきりと伝える
認知症利用者の意思を尊重することは介護において大切なことですが、その言動が身体に危険をおよぼす場合ははっきりと伝える必要があります。例えば認知症利用者の中には近くにある物(ティッシュや花など)を所かまわず口に入れてしまう方もいます。そういった場合は危険なことを伝えて行動を阻止する必要があります。
また、認知症利用者は危険な物に触れようとすることもあるため、日常生活を始め外出時なども気をつけて見守る必要があります。特に日常的に危険行為が見られる方へは付き添いをするといいでしょう。
分かりやすく身近な例で言うと認知症利用者は子どもと同じように見守ることが大切です。認知症利用者の行動は予測ができない時もあるため、事故やケガがないように気をつけましょう。
まとめ
無資格未経験者が介護職を始めた時、まず認知症利用者の問題行動に悩まされることが多いと思います。
正しいことを伝えてもなかなか理解してくれなかったり、思ったことをはっきり口にしたり危険行為をする恐れもあります。
ですが、今回ご紹介した対応方法を行うことで認知症利用者へ負担をかけずに接することができます。
危険な時ははっきりと伝える必要がありますが、普段は否定をせず受容を行うことが大切です。
認知症利用者は自分の世界を認めてくれた方へ安心感を抱き気持ちをゆだねる傾向があります。
認知症のケアが十分にできればどこの介護サービスでも通用できるでしょう。そのくらい認知症のケアは難しいですが、やりがいはあります。
初任者研修でも認知症の講義はありますが、「認知症」にまつわる研修は県内各地にたくさんあります。
認知症に興味のある方はぜひ一度参加してみると介護職の見方も変わるでしょう。また、認知症ケア専門士という認知症にまつわる資格もあるため興味のある方はぜひ目指してみて下さい。
認知症ケアは知識があるだけケア内容に厚みが出ます。ぜひ知識を深めて仕事にいかして下さい。