介護職として働く40代の事例 介護は40代からでも始められます
介護にはたくさんの資格があります。
たとえば、介護福祉士、社会福祉士、ケアマネジャー、この3つの資格のうち、一つでも取れれば、40代でも、50代でも介護で転職、就職できます。
欲をいえば、最初は、20代後半あたりから福祉業界へ転職するのがベストではありますが。
私の場合は、30代後半から特別養護老人ホームにまたく別業界から転職しました。ただし、夜勤があります。
お子さんがいる主婦の方が介護を始めるっていう場合には、デイサービスセンターとか、日勤だけのところがいい場合もあるでしょう。ご自身の条件に合ったところの求人を探していくのがベストですね。
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少し、介護に転職した人の事例を本から抜粋します。
社会福祉法人池上長寿園 池上高齢者在宅サービスセンター生活相談員の沢中美季さん49歳(1964年生まれ)の事例です。
今の仕事は、どうやって探しましたか?
前の仕事を辞めて、本格的に福祉の仕事を探し始めました。
ハローワークに通ったり、知り合いに頼んだりして仕事探しをしていて、知人からいまの社会福祉法人を紹介されまし
た。ほぼ同じ頃にハローワークで障害者施設を紹介され、そちらにも興味があったのですが、高齢者と関われるので今の仕事をえらびました。
幅広く介護の仕事を探され、この方の場合は知人からの紹介で入ったようですね。
就職してからは、どういう仕事をしましたか?
この法人に就職してから、最初の半年くらいは事務職として働きました、それから4年半は介護職として働き、社会福祉士の資格を取った頃、相談部門に異動になりました。
それ以降は職場の異動はありますが、生活相談員として働いています。
実は一度管理的な仕事に就いたのですが、自分には向いていないと思ったので、願い出て、現場の仕事に戻してもらいました。
この方の場合、同じ施設内で職種が変わっていっています。介護の場合、人を重視する会社が多いので、信頼を得ると、この方のように、同じ会社ないで職種を変えていかれるような事例も多いです。
私が働いている特別養護老人ホームでも、最初介護士で、その後、相談員となる方がいます。
介護福祉士や社会福祉士の資格は、どのようにして取りましたか?
転職を決めたときから、資格は必要だから、できるだけ早くとろうと思っていました。介護福祉士は、実務経験3年以上の受験資格(当時)を満たすとすぐに国家試験を受験して、とりました。
それから、
私は普通の4年制大学卒なので、社会福祉士を目指すには1年以上、社会福祉士養成施設で学ばなくてはなりません。最初はともかく仕事に慣れることを優先して、2年ほど経ってから養成施設に入学しました。働きながらなので、通信制で2年かかる学校を選びました。そこを修了すると同時に国家試験を受験して、社会福祉士をとりました。
その後、受験資格があったのでケアマネジャーをとりましたが、こちらは結局仕事では使っていません。
この方のキャリアの場合、もうずっと介護系できているので、転職しようって思えばすぐにでもできる土壌ができあがっています。さらに社会福祉士資格を持っているっていうのが強いですね。
どうやって働きながら資格をとったのかを聞いてみました。
働きながら勉強するのは大変でしたか?
社会福祉士の学校では、仕事をしながら通信教育で1か月ごとにレポートを2本ずつ出さなくてはならなくて、とても大変でした。
でも、資格は必要だと思っていたので、勉強しようという意欲は強かったですね。年2回5日ずつのスクーリングと2週間の実習もありましたが、幸い職場の理解があって、休みをとることができました。
働きながら社会福祉士の資格を取る為に、レポートを作成…これは結構厳しい生活だったと思います。
ですが、この資格があれば、現場の介護業務から抜けれます。しかも、望めばずっと現場で実際に介護業務をする事から抜けれます。これって、すごく大きなメリットです。
ですが、相談員の仕事も、苦労がないわけではありません。
相談員の仕事ってどんな感じなの?
今やっておられる相談員は、どんな仕事でしょうか?
ここはいわゆるデイサービスで、介護が必要な高齢者が、月曜日から土曜日までの希望の曜日に何日か通ってこられます。相談員は、まず通所を決めるところから関わります。ケアマネジャーさんから申し込みがあったら、その方の状況を把握して。週に何回来ていただきましょう、お風呂には何回入りましょうといったことを調整します。
この方の場合、介護士としても経験があるので、実際に要介護の人の状態を見て把握できます。介護のスキルが何年かしないと身につかないっていうのは、ここです。現場経験が最初あって、それからはじめて相談員の業務ができるようになります。
そして受け入れ前には、この方がどういう方で、排せつ、入浴、食事などではどういうお手伝いをすればいいのかをアセスメントシートに記載して、大勢いる介護職員に伝えます。
実際に通ってこられるようになったら、事前に把握した内容と違っているところはないかを確認します。実際には、けっこう違うことがあるので、介護職と連携して違っているところを訂正したりして、統一した介護ができるようにしていきます。
その後は、ご家族やケアマネジャーさんからの相談を受けたり、逆にセンター内で過ごしておられる様子を見て、こういうことがありましたが、ご自宅ではどうですかと伝えたりもします。
仕事をするときに、心がけていることはありますか。
まずは相手の話をよく聞くことですね。それから、その方と接するときに何をいちばん注意しなければいけないかということには、すごく気を配っています。たとえば、こういう言葉にはとても傷つくので絶対に言わない」とか、「がんと告知されていないので病名を話さない」とか。
あとは、その方の人となりや性質、家族や生活環境を把握し、その生活をまずは成り立たせ、少しでもよくしていく方向にできればと考えています。
福祉・介護の資格と仕事 やりたい仕事がわかる本 梅方 久仁子 (著) 技術評論社より抜粋
介護を始め、この方の事例のように介護福祉士、社会福祉士、ケアマネジャーをとっていく事ができれば、やりがいを持って介護の仕事をやっていけそうですね。