介護職からの転職!転職していった5つの事例
社会問題にもなりつつある「介護離職者」という言葉があります。
介護の仕事を辞めたいと考える人は増え続けていると言えます。
そんな介護経験者が「転職していく先」を少しだけお話しましょう。
介護から看護への転職
ポジティブな転職とも言えるかもしれません。
介護の世界で看護に関する仕事に近付いた事で、物足りなさを感じ看護師を目指す転職です。
介護の仕事は「看護の仕事と紙一重」な側面を持っています。
やはり高齢者等、社会的弱者を対象として仕事をする事から、命のやり取りに近くなることもあります。
こんな時、介護者として出来る事には当然限界があり、どれだけ頑張っても「医療関係者には力及ばない」と感じる事が少なくありません。
最初から割り切って仕事をしているのかもしれません。
しかし、介護の仕事における専門知識にも看護に共通する部分が多くあります。
ですが、知識を必要としても「それを実践していい仕事ではない」というのが介護には多くなります。
そのため「物足りなさ」を感じて、介護の仕事を足掛かりに転職していくようです。
介護職からの転職!サービス業に転職していく
介護の仕事はいわゆる「ディープなサービス業」でもあります。
そのため、前職が工場勤務や土木系の仕事などであった場合、介護を通して「初めて」サービス業を経験する事になります。
介護の仕事は国の決め事に則ってやっていく必要があります。言い方を変えると「サービスだから何でもして良い訳ではない」のです。
サービス業なのにお客が喜ぶ事をしたら怒られる、そんなもどかしさを感じる事もあります。
実例として、何でも困りごとに対応したいと考え「何でも屋」を開業した方もいます。
介護職からの転職!経営者になる
介護の仕事と聞くと「施設」をその多くは思い浮かべます。では施設の規模はどうでしょうか。
最近は少し落ち着きましたが、「小規模施設の開業」が流行った時期もありました。
これは「思った通りの介護がしたい」とか「利益が出る」等、様々な理由からですが、介護の仕事を経験して経営者になるという方もいらっしゃいます。
介護施設の開業は「思っているより簡単に」実行出来ます。
まずは「顧客(介護を必要としている人)」は沢山いますし、尽きる事はないでしょう。お客が絶えないという事です。
次に「民家改修で始められる」という施設もある事から、低資金でスタート出来ます。
お客が絶えず開業資金も少ないとなると、利益追求であれ理想の介護であれ経営者を夢見る方は少なくありません。
開業後の施設があまりにも「発想に飛んでいる、飛び過ぎている」施設が上手くいかない、そんなケースも同時に見られます。
やはり介護施設ですから、法律の順守や質の低下には常に気を張っていかなくてはならないのも特徴の一つです。
介護職からの転職!飲み屋のママになる
女性介護士の中には副業で「夜は呑み屋で働いている」という人が多くいます。
筆者の周囲でも実に多くの女性がこの「副業」をしています。理由は介護の賃金の安さからでしょう。
ですが前者の開業と似ている部分もあり、「経営自体に面白みを感じる」というケースも多いようです。
実際軌道に乗れば介護なんて比べ物にならない程、収入はアップするのも魅力なのかもしれません。
介護の仕事はその多くが変形労働制となっており、時間が不規則であったりもします。
こういった事も条件となり、呑み屋の経営をしても体が慣れているという事にも繋がってきます。
筆者も「ウチの元職員の呑み屋が二次会の定番」となっていました。
介護職からの転職!タクシードライバーになった事例
呑み屋とも似ていますが、不規則な勤務を介護で経験した事で体が慣れ、タクシードライバーに転職した方もいました。
呑みに行った帰り、タクシーに乗って「その自由な勤務」に憧れたというのが理由でした。
実際雇われでタクシードライバーになる場合、会社勤務である事には変わりありませんから、一定の拘束は免れないでしょう。
ですが、この方「介護福祉士」を取得していたため「高齢者に愛想が良いタクシー」となっていきました。
高齢者の固定客が多くなり、結構成功しているようでした。
同じサービス業として考えると、似て非なる部分を上手く活かしていると言えます。
介護職からの転職!葬祭業へ転職
介護の仕事について回るのが「対象者の死」であったりもします。
この「死」については、実は色々なケースがあるのを考えたことがあるでしょうか。
やはり一般的には亡くなって葬儀を挙げてもらい、皆が悲しむというのがイメージかもしれません。
ですが、介護施設に入所している高齢者が皆このような「恵まれた弔われ方」ではありません。
人間年を取ると、それまでの人生の遍歴によってその後の人生が清算された老後を送ることになります。
皆が全員その恵まれた老後、恵まれた死に方ではありません。
亡くなって葬儀に行くと介護施設関係者しか来ていない、そんなお葬式も数多く見てきました。
死ぬときは皆一人と言います。
ですが、死んだ後まで誰もおらず一人というのはあまりにも不憫なのかもしれません。
こんな事に心を痛めた介護経験者が葬祭業へ転職し、「送る」事をしたいと考えたようです。
いかがでしょうか。
どれも「介護を経験した事で考えた転職」をご紹介しましたが、全く介護には関係の無い転職を選択する人もいます。
介護とは直接関係ないと言っても、やはり収入面の低さや仕事の大変さなど「介護のデメリットを理由」に転職をするケースも多くなっています。
求められる仕事であるが、相反して仕事の過酷さ等が全面に目立ってしまっていて、結局辞めてしまうのが介護でもあります。
転職先の業種の幅広さを考えると、やはり大きな経験が積める仕事とも言えるでしょう。