介護未経験者なら知っておきたい!利用者急変時の対応方法
介護サービスを利用する高齢者は生身の人間であるためいつ急変するか分かりません。
日中であれば看護スタッフが対応してくれますが、夜間帯だと看護スタッフがいないため自分たちで指示を確認しながら動く必要があるでしょう。
介護スタッフは医療行為ができないため、利用者の急変に対して大きな不安を抱く方も多くいます。
しかし、どこの介護サービスでも利用者の急変時のために備えをしているため安心して下さい。
急変時の対応方法をきちんと習得することで未経験者でも安心して対応することができるでしょう。
今回は急変時の対応をしてきた元介護士が適切な介護方法をお伝えしたいと思います。
緊急時マニュアルを熟読する!
どこの介護サービスでも緊急時マニュアルは必ず置いてあります。
高齢者はいつ急変してもおかしくないため、緊急時の対応も早い段階で覚えておくといいでしょう。
いざという時に必ず役立ちます。
緊急時マニュアルは配布されない施設が多いため、上司に許可を得てコピー、またはメモを取ることをおすすめします。
私が働いていた施設はコピーが禁止だったため手書きで写していました
マニュアルには急変時の行動手順や看護長の連絡先、救急車を呼ぶ際に準備する物などがこと細かく記載されています。
このマニュアルを熟読して覚えれば緊急時に慌てる心配もないでしょう。
また、急変時の対応については初任者研修のテキストにも必ず載っているためもう一度目を通すようにしましょう。ネットなどでも色んな情報が載っているため時間のある時に目を通すのもおすすめです。
職場で周知させたい場合は積極的に急変対応の勉強会を開くのもいいでしょう。
後で詳しく説明しますが、介護職員向けの急変対応の研修も各地で実施しているため、自信をつけたい方はぜひ調べてみて下さい。
急変時の対応について上司に質問する!
介護現場には経験豊富な先輩、上司がたくさんいます。
先輩、上司であれば一度は急変時の対応をしたことがあるでしょう。
そのため、休憩時に先輩や上司に急変時の体験を聞いたり質問をすることで、実際に経験をしなくても知識が身に付きます。場合によっては先輩のメモや資料を借りることができるかもしれないためぜひ一度聞いてみるといいでしょう。
また質問をすることで緊急時の注意点や、ちょっとしたアドバイスも同時に聞くことができるためあなたにとって一石二鳥となるでしょう。
色んな介護職員に聞くことで多くの知識を得ることができます。
ぜひ先輩、上司に急変時の対応を質問してみましょう!
他の職員にヘルプを要請する!
実際に新人職員が利用者の急変に立ち会うこともあります。
私の先輩は夜勤を独り立ちした日に利用者が急変して救急車に乗りました。
何もかもが分からなく別のフロアの先輩に手伝ってもらったそうです。
未経験者や新人職員の場合はまだ仕事自体に慣れていないため、利用者の急変も一人で対応するのは難しいでしょう。
そのため、他の職員にヘルプを要請することが大切です。
特に夕方以降や夜間帯は看護スタッフが不在の所が多いため介護スタッフの対応が必要となります。
遅番や夜勤時に利用者が急変した際は一人での対応が大変であるため他の職員を呼んで手伝ってもらいましょう。
急変時は利用者の健康が第一です。自信がない場合は先輩に手伝ってもらい迅速な対応を心がけましょう。
積極的に急変対応の研修に参加する
急変時の対応はマニュアルだけを覚えていても日頃から知識や技術の訓練をしなければ身に付きません。
例え介護主任のようなベテランでさえも急変対応に慣れていなければいざという時役に立たないのです。
急変対応をスムーズにさせるためにも日頃から積極的に研修に参加することが大切です。
前項でも話しましたが各地域でも急変対応の研修は必ず行われます。時間のある方は積極的に参加すると良いでしょう。
研修の案内場所が分からない方は地元の福祉センターや職場の掲示板を見ると情報が見つけやすいと思います。
さらに視野を広げたい方は都心部などでも大規模な研修を行っているため、人脈作りも兼ねて参加すると自分の成長につながるでしょう。
急変時は利用者の安楽を確保する
急変時に大切なことは利用者の安楽を確保することです。介護スタッフは医師や看護スタッフではないため医療的な処置はできませんが、静かな場所へ移動させたり背中をさすったり、また安心した声かけを行う役割があるはずです。
介護現場では食事中などに利用者が食べ物を喉に詰まらせてしまうことがあります。むせ込んだ場合は様子を見てお茶など喉の通りを良くするものを準備することが大切です。
また、窒息をした時は早く食物を吐き出すために背中を叩くなどの処置もあるため、初任者研修のテキストで復習したりネットなどで情報を得るようにしましょう。
さらに介護スタッフは医療行為はできませんが実務者研修を取って実地研修を受ければ痰の吸引を行うことができます。
介護スタッフは自分にできることを再確認し、急変した時も利用者へできることを進んで行うことが大切です。
常に利用者の立場を考え、安楽に努めていきましょう。
急変時は自己判断しない
急変時で大切なことは自己判断で行動をしないことです。特に介護スタッフは看護スタッフのような医療従事者でないため、下手な行動をすると病状を急変させたり命にも影響します。
そのため、利用者が急変した際はマニュアルを見てその通りに行動するようにしましょう。看護主任や上司に連絡をしたり、状態によっては救急車を手配することもあります。
自己判断で行動をして状態が悪化した場合、始末書だけでは済まされないことがあります。下手をしたら夜勤ができなくなったり解雇を受ける可能性もあるでしょう。
心配でどうにかしたい気持ちは分かりますがまず介護スタッフとしての立場を忘れず、マニュアルにそった行動と思いやりのある行動を心掛けましょう。
介護未経験者なら知っておきたい!利用者急変時の対応方法 まとめ
未経験者は普段の仕事も覚えながら急変時の対応方法も覚えていかなくてはいけないため大変です。
ですが、緊急マニュアルをしっかりと覚えて日頃から先輩、上司と緊急時の対応について話をすればまず心配ないでしょう。
また、日頃からスタッフ間でコミュニケーションを取ることによって緊急時もスムーズに仕事を行うことができます。
介護スタッフは看護スタッフのように医療的なことはできませんが、安心できる声掛けや落ち着く場所へ移動させることはできます。
看護スタッフや救急車が来るまでの間もこういった気使いをすることはとても大切です。
また、いくら仕事だからといっても利用者の急変時は自分勝手な行動を取ってはいけません。あくまで医療行為のできない立場なため必ず看護主任や上司の指示を仰いでその指示に従いましょう。
もしあなたの対応で利用者の状態が悪化してしまえば始末書騒ぎになってしまいますし、解雇になる可能性もあります。
私自身5年以上介護スタッフをしていましたが急変時の対応は数える程しかありませんでした。私だけでなく、他の介護スタッフも同じです。
だからこそ、看護主任や上司の指示に従い動くことが大切だと思います。
利用者の急変は日中にうちに処置をすることが多いため、夜間帯で対応する機会は少ないですが次は誰がいつ急変するかも分かりません。
そう考えると介護スタッフもいざという時にために普段から救急対応の勉強しておくことが大切です。