介護士に大事なのは利用者さんとのコミュニケーション
介護の仕事を続けていくにはご利用者(ご老人)の求めているものを読み取りながら介護する必要があります。
介護士になるには (なるにはBOOKS) 渡辺 裕美 (著)という本から少し抜粋します。
利用者さんとコミュニケーションをとって、気持ちを汲み取る
施設利用者さん方が、日常生活を送るうえでの姿勢や移動、食事、表現方法は、どのような状態なのか、まだ介護をはじめる前の方にはわからないと思いますので、今回は、その様子と、ご利用者(ご老人)の求めているものを読み取るという事についてお話しさせていただきたいと思います。
どんなご利用者様でも、ご家族の事、キーパーソン(介護業界では、そのご利用者さんと深く関わりのある方の事をそう呼びます)の事をお聞きすると、「ホー」(言葉としてはなりたたないが、返事)といった返事がきます。そのときのご利用者さんの表情やちょっとしたしぐさから気持ちや要求していることなどをすばやく読みとるのです。
行事や誕生日祝いの際にプレゼントを用意して大事そうに抱えている園生さんを見て、介護士が「お母さんへのプレゼントなの」と尋ねると、「ホー」と満面の笑顔が返ってきたりします。
そんなとき、介護士の方がうれしくなってしまいます。
このケースで介護士が実行する事ができた、いい介護!
相手の意図を察知できたのがいい仕事してるなーっていうポイントです。
『ホー』というサインに込められた意味合いを察知することができないと、『また、あとでね』となってしまいます。
ですから、ご家族さんが来られたときには、本人のことや家族状況をよく聞いておく事が大事です。
ご利用者の状態に合った介護を
人によって身体状態は違います、そこも察して介助する必要があります。
首が座らない、だからタオルを車いすにうまく置いてあげて固定する必要がある。
もしくは、支えてあげると座ることはできる、仰向けで頭を上げられるというように人によって全然状態が違います。
介護士の仕事で重要なのは、介護経過等の資料をよく読み、ご利用者様の状態を把握して、それに合った介護をしていく事です。
食事も、ふつうの食事から流動食までさまざまな段階があります。
自分を表現することについては、意味のわからない(言葉にならない)声や身ぷりで表現する人もいれば、表現する手段をもた
ない人もいます。
ですが、なんとかコミュニケーションを積み重ね、発信-受信を繰り返すうちに、やがて信頼関係につながっていきます。
それがいい介護の関係性です。
介護士をやる前って、なかなか想像つかないかもしれませんが、実際に現場で介護をし出せばわかっていただけると思うので、心配しないでもできると思います。