介護のお仕事の実際
介護のお仕事って実際どんな感じなの?
実際に介護職に就いた場合、どの様な業務があるのか。
様々な角度から見ていきましょう。
施設の場合
- 排泄介助(トイレ・おむつ交換・ベッド脇に置いてあるポータブルトイレの処理等)
- 着替え、移動(要介護者の状態に合わせ介助。歩行困難な場合は車いすへ移動)
- 口腔ケア(入れ歯の洗浄や洗顔など)
- 食事介助(配膳し要介護者の必要に応じて介助)
- 居室清掃(掃除機、シーツ交換、洗濯など)
- 入浴介助(衣類着脱、移動、洗体、異常のチェック、お風呂掃除)
- レクリエーション(簡単な体操、や運動ゲーム、制作、カラオケ、料理、お花、外出等)
- 散歩、話し相手、爪切り・耳掃除
など
*デイサービスの場合には送迎、在宅介護の場合には家事全般が加わります。
誰にでも出来るかといえば、できます。
しかし、要介護者それぞれに状態が違う為に介助の方法が同じではありません。
個々の方のケースについては、実際に現場に入って、生で対応して、そこで覚えていくという形になります。
介護のお仕事ではご老人に関しての知識が必要です。
「麻痺の場合はこちら側に立つ」「リウマチの場合はこのように支える」「車いすはどちら側に付けると移動しやすいか」「嚥下(飲み込み)困難な方の食事介助や水分補給は?」
等々、実際に現場に入るには勉強が不可欠です。
…ですが、未経験で入っても、勉強して、知識を得る事も可能です。
肉体労働として身体介護をする事も可能ですが…
特に身体介護の場合には、正しいスキルを身に着けていなければ介護者自身の身体を痛めることに繋がります。
そのため、事業所で研修制度を設けている場合が殆どです。
初心者でも業務に就けるよう、丁寧に指導してもらえるので安心して良いでしょう。
また、当然このような業務をこなしさえすれば良いわけではなく、「人間と人間」のコミュニケーションが非常に大切です。
人生の大先輩の「お手伝いをさせて頂いている」くらいの気持ちで接することが大切です。
決して「やってあげる」とか「おじいちゃんおばあちゃん、かわいい」という失礼な気持ちで接するべきではありません。
この辺りの研修は疎かにされている場合が多いので、自分自身の信念として刻んでおくことをお勧めします。
相手は様々な時代を生き抜いていらした高齢者です。
介護職員の心の内を読み取ることは簡単なこと。
少しでも怠慢な素振りがあれば信用されませんしクレームにもつながります。
また、どれだけ仲良くなっても一線はわきまえなくてはいけません。
常に尊敬の念を持って接するように心がけましょう。
守秘義務があります
裁判官や医師・警察官などと同様に、介護職にも「守秘義務」があります。
業務上知りえた内容は他言してはなりません。
○○の○○さんが△△の施設に行っている
○○さんはトイレも自分で行けなくて、夜は施設を俳廻して・・・
○○さんの家にホームヘルパーに行ってるよ
このような事は職場以外では話さない。大切なプライバシーを預かっていると考えましょう。
介護職って楽しい?辛い?
これは「楽しい」です。やり甲斐があり、人間味にあふれた毎日を送ることができます。
介護のお仕事について20年
私自身、20年前の新人時代から現在までの介護職経験で、全ての出逢いを思い出すことができます。
昔の話を聞いたり お花の育て方を教わったり 涙を流して「ありがとう」とお言葉をくださったり 絵手紙をいただいたり…心に深く残る、たくさんの思い出があります。
しかし、決して楽ではありません。
辛いことももちろんあります。
オムツを隠してしまう要介護者。
介護の仕事のつらさ~認知症の方への対応
何とか片付けたいと思っても暴言・唾を飛ばす・引っ掻く
夜中になると必ず俳廻して廊下の観葉植物に用を足そうとするのを傷付けないよう上手く部屋まで誘導しなくてはいけない…
介護の仕事の肉体的なつらさ
真夏の入浴介助の暑さはたまりません。着替え用に新しいTシャツが必要な程、汗をかきます。
ホームヘルパー時代には厳しい要介護者様のご希望に自分が応えきれず、叱られることも度々ありました。
施設であってもホームヘルパーであっても、問題行動がある要介護者の対応に悩み、朝職場へ向かう足が重く感じることもあります。
施設の仕事というのは想像以上に忙しく、要介護者様と触れ合いたいと思っていてもなかなかそのような時間が取れないのも事実です。
施設介護では業務時間中にゆっくりとご利用者と話す時間をとりにくい
話し相手をしていると「サボっている」と思われてしまうことがあります。
毎日何人分もの介助をしてゆっくり話す時間さえないので、同じことの繰り返し・・・と感じてしまう可能性は排除できません。
仕事から帰ると「臭い」と言われることもありました。
当然、施設は毎日きちんと掃除するのですが、やはりどうしても匂いが染みついてしまうのですね。
デイサービスでの介護のお仕事と比較すると…
その点、デイサービスでの勤務は気が楽でした。
*デイサービス=日帰り通所施設
入所施設と違い利用される方が毎日違います。(たいていの場合、週2~3回のご利用です)
問題行動を取られる方がいらしても、毎日毎日朝から晩まで、夜中も・・・というわけではないですので足取りが重くなることはありませんでした。
要介護者の滞在時間も限られていますのでさほど匂いも気になりません。
その分、デイサービスで必要となるのはコミュニケーションです。
入居されている方に比べ、まだまだしっかりされている方がお相手です。
デイサービスでの介護のお仕事で必要とされる事
丁寧な言葉遣い・楽しく明るい雰囲気・質の高いレクリエーションや気の利いた介助
デイサービスは評判も大切ですので、要介護者様にとって、より満足度が高く有意義な時間となるよう、職員の向上心が必要不可欠です。
この様に、時には辛いこともある介護の仕事ですが、その辛さがあっても尚、お勧めしたいと思えるほどに魅力的な仕事だということは間違いありません。
では一体どのようにして介護の世界へ入っていけば良いのでしょうか?
介護は興味はあるけどやったことない。
初めてなのに不安。
・・・という方でも挑戦できるよう、介護職への道についてお伝えしていきます。