グループホームのオープニングスタッフの体験談
グループホームのオープニングスタッフ(常勤)、小規模多機能施設(2施設/非常勤)
グループホームのオープニング
グループホームはオープニングスタッフ且つ新卒で働き始めました。
オープニングスタッフなのでもちろん1から自分たちで作り上げていかなくてはなりません。
オープニングの職員の半数が未経験、残りの半数はほぼ在宅のみの経験者で施設経験がほとんどないということもあり、本当に1からのスタートでした。
グループホームに勤務していたのは、3年半ほどでしたが色んなことが経験でき、介護士としても人間としても成長できたのではないかと思います。
介護のお仕事の中でもやりがいがある業務
1番やりがいがあったのは、行事の企画・運営です。
法人主催の祭りへの参加、年に数回ご家族や地域の方を招いての食事会、お花見や夏祭り、敬老の日、クリスマスなどの季節行事、年1回フロアごとに分かれての外出などが主な行事でした。
なかでも、ご家族を招いての食事会で特に印象に残っています。
蕎麦打ち職人や寿司職人に来てもらい、目の前で調理してもらうというかたちをとっていました。
お寿司は個人個人が好きなネタを注文して握ってもらえたので、特に喜んでいただけました。
施設ということもあり、食中毒には特に気を配らねばならないので、生ものである刺身類は提供出来ません。
それもあってか、普段はとても食が細くお茶碗1/4も召し上がらない方が5~6貫ほど召し上がり、ご家族も職員もとても驚いたことを覚えています。
年1回の外出では水族館や水上バス、区役所のレストランなどに行きました。
認知症がある方でも、外出という非日常を経験することでいつもと違う表情を見ることができ、その都度やってよかったなと思えました。
介護の嫌な事 ご利用者様が亡くなること
介護職の経験の中で、何度も味わい悲しく辛かったのは今まで接してきた方たちとの別れです。
何度経験しても本当に嫌でした。
昨日まで笑っていたのに、さっきまで息をしていたのに…なんで?どうして?もう会えないの?なんであの時、○○してあげられなかったんだろう…と自分を責めてしまうことも多かったです。
「貴女、介護福祉士なんだから介護のプロなんだよ?悲しくても、プロは泣いちゃだめなんだよ」と上司に言われ、必死に涙をこらえていたことが何回もありました。
お葬式
私が勤めていたところは、お通夜もお葬式も参列禁止で最後のお見送りができたのは当日勤務だった職員だけでした。
なぜ、参列禁止だったのか今でも理由はわかりません。
ある時、先輩に言われたのが
「死の場面に立ち会えるってことはね、その方が貴女に看取ってほしいって思ってるんだよ。体を張って、貴女にどういうものか教えようとしてくれてるんだよ」という言葉でした。
その言葉を教えてもらってから、死というものへの考え方が少し変わったように思います。
それでも、やっぱり泣いていましたし、嫌なことには変わりなかったですけど。
介護職はきついけどやりがいがある
介護はきつい仕事ですが、きついからこそ「ありがとう」という言葉の重みや人の笑顔が見れるうれしさなど些細なことが力になるんだと私は思います。
介護職に就いていなかったら、今の自分はいません。そういう意味でも、介護職をやってよかったな、またやりたいなと思います。