元介護士が教える!介護士の腰痛対策
介護職は身体介護を必要とすることから多くの方が腰痛に悩んでいます。
人によっては腰痛からヘルニアになってしまい介護職として働けなくなる場合もあります。
また、腰痛が原因で長年続けていた職場を退職しなければならない介護職も少なくありません。
私もそういった介護職を今まで何人も見てきました。
せっかく積み上げた介護職のキャリアも、腰痛が原因で失ってしまうのです。
しかし、日頃から腰痛にならないように気をつけることで腰痛に悩まされることもなく仕事を続けることができます。
介護職の中には腰痛に気をつけているため、一度も腰痛を起こさない方もいるのです。
今回は介護職が腰痛にならないための対策をお伝えしていきたいと思います。
介護職で腰痛にお悩みの方はもちろん、これから介護職を始める方もぜひ参考にご覧になって下さい。
介護方法を見直す
腰痛の大きな原因として、「合わない介護方法を行っている」ということがあげられます。
力まかせに自己流で行っている介護は必ず腰痛を引き起こします。
介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー)で習ったボディメカニクスの基本原理をもう一度復習して自分の介護方法と照らし合わせてみて下さい。
ボディメカニクスの基本原理をしっかりと守ることでまず腰痛を引き起こすことはないでしょう。
また、自分の介護方法の問題点が分からない場合は先輩や上司に自分の行う介護を見てもらうことが大切です。
現役の介護職員であれば自分でも気を付けていることが分かるのでアドバイスがしやすいと思います。
その他にも、新規利用者の介護方法を職員間で確認することも今後の腰痛予防のために大切です。
ここで自分の介護方法を振り返ることのできる介護職とできない介護職とでは、将来の腰痛状態が明らかに変わります!
まずはあなたが自信の持てない介護方法を確認することから始めてみましょう!
無理な時は手伝ってもらう
腰痛を引き起こす介護職員によく見られる光景が、体格のいい利用者の介護を無理に一人で行っている所です。
私が働いていた介護施設でも、人手不足であったり他の職員に声をかけるのが面倒なために無理をして一人で介護を行っている職員がいました。
介護を必要とする利用者の中には体格がいい方や手足の関節が曲がっている方、手が上がる利用者など色んな状態の方がいらっしゃいます。
そういった方への介護は工夫をする必要が出てくるため、経験の浅い介護職や新人の介護職にとっては自信を持って行えないこともあります。
こういった場合は仕事だからといい無理をして介護を行うと腰痛を引き起こす可能性があるため必ず他の職員を呼んで手伝ってもらいましょう!
手伝ってもらうからといい、他の職員に迷惑をかけるということは介護業界では絶対にありません!
無理をして一人で介護を行うことの方が利用者に迷惑をかけてしまうのです!
介護職は一人で行えない介護がたくさんあります。他の職員に介護を手伝ってもらうことはごく日常的にあることなので安心して下さい。
コルセットを装着する
介護職の多くは腰痛予防のためにコルセットを装着していますが、コルセットは本来腰痛予防のために装着するものではありません。
痛みが出た時に装着することで効果が出るものなのです。
私の周りの介護職も「腰痛予防だから」と言い常時コルセットを装着していましたが、常時装着をしていると痛みが出た時にコルセットのもつ効果が発揮されません。
そのため、常時コルセットを装着していた介護職はいつも「腰が痛い」と言い続けていました。
腰痛の備えとしてコルセットを持参することは腰痛を予防していくためにもいいことですが、装着をするのは「痛みがあるときのみ」にしましょう。
コルセットは接骨院やドラッグストアなどで販売しています。種類も豊富にあるためあなたに合ったコルセットを選び、腰痛への備えをしましょう!
元介護士が教える!介護士の腰痛対策 まとめ
多くの介護職が悩む腰痛ですが、腰痛を起こすには必ず何か原因があります。
間違えた介護を行っていたり、一人では負担のかかる介護を無理に行ったりと原因は色々ありますが、大切なのは腰痛の原因をきちんと把握して改善していくことにあります。
原因が分からないのに腰痛がある場合は職場の人に聞いてみることも大切です。
職場の人であれば普段からあなたの介護を見ているので適切となる腰痛の原因を探してアドバイスをしてくれるでしょう!
また、腰痛予防の研修も各地域で行われているため、正しい知識を習得して将来の腰痛予防に備えることも大切です。
介護士が辞める理由で多いのが腰痛!その対策とは
介護職は利用者の身体介護を行うことから腰痛になる方が多くいます。
腰痛が進行すると身体介護をすることが難しくなり介護職自体を辞めてしまう方も少なくありません。
その位腰痛は介護職にとっても身近な問題なのです。
しかし、腰痛を予防したり働き方を変えることで介護職を辞めずに長年続けることができるのです。
私の周りでも腰痛をもつ介護職はたくさんいます。
腰痛予防ももちろん大切ですが介護職を長く続けて行くためには腰痛に対する「考え方」も必要です。
以下では介護職に理解していただきたい腰痛予防についてお伝えしていきたいと思います。
これから介護職に就職する方や興味のある方はぜひ参考にして下さい。
腰痛でも身体介護の少ない職場がある!
腰痛を持っている場合、予防しながら介護職を行う必要がありますが無理をすると悪化してしまう恐れがあります。
介護職が働く介護サービスには身体介護の負担が少ない所もあるため、そういった所に就職することがおすすめです。
身体介護の少ない介護サービスにはデイサービス、グループホームなどがあります。
また、講習を受ければ介護タクシーの運転手や福祉用具の専門相談員になることもできます。
介護職とは直接離れてしまいますが同じ福祉業界なので資格を活かして働くことができるでしょう。
このように介護業界は資格を活かして色んな働き方ができるため視野を広く持つことが大切です。
腰痛や持病を持っていても自己管理できれば働ける
腰痛や持病を持っていても自己管理を行い業務に支障が出なければ十分働くことができます。
私の周りの介護職も持病があって食後に薬を飲みながら仕事を続けている方が何人もいました。
また、腰痛持ちの方も湿布を貼りながら仕事をしていました。ですが、仕事に支障が出た方は一人も見たことがありません。
大切なのは仕事に影響が出ないように自分でコントロールしながら働くことだと思います。仕事中に影響が出てしまう恐れがある場合はあらかじめ伝えておくことで周りも理解してくれます。
腰痛や持病を持っていても自己管理さえできれば一人前に働くことができるため安心して下さい。
腰痛、持病をもつ介護職は身近にいます
腰痛や持病をもつ介護職は身近にいるため決して珍しくありません。
注意深く観察すると昼食後に血圧の薬を飲んでいたり、介護前にコルセットを装着していたり、湿布を交換していたりと色んな光景を目にします。
みんな自分の体を守りながら介護職を続けているのです。
介護の知識、技術は一度覚えてしまえばどこの職場に行っても通用するため、少し位腰痛や持病を持っていても辞めずに続けることで将来へとつながります。
就職後に話せそうな方がいれば自己管理の方法を聞いてみると参考になるでしょう☆
介護職の退職理由の多くが腰痛です。
それは自分の体を守るために仕方のない選択ですが、介護サービスには身体介護が少ない仕事がたくさんあります。
軽度の介護が可能であればデイサービスやグループホームに就職する道もあるでしょう。
また、講習を受ければ介護タクシーの運転手や福祉用具の専門相談員など同じ福祉業界で働くこともできます。
もし腰痛で介護職に就くか迷う場合は色んな働き方があることを覚えておくといいでしょう。
また、介護職は実務経験を5年積むとケアマネジャーを取ることができます。
ケアマネジャーは介護経験を活かしながら身体介護のない働き方ができるため、将来のことを考えて資格を目指す方法もあります。
介護職は身体介護だけがすべてではありません。
身体介護の少ないデイサービスなどに転職をしたり、新たに資格を取ることで介護業界を引退することなく長く働くことができるのです。
腰痛予防は誰でも意識することで防ぐことができます。
日頃からの予防が将来の充実した介護職人生へとつながっていくでしょう!