介護士になる前に知っておきたい事、覚悟しておくべき事
未経験者に介護士になる前に知っておきたい事、覚悟しておくべき事を解説するよ
現在世界でも類を見ないほどの高齢化社会に突き進んでいる日本において、介護のニーズは増々高まるばかりです。
しかし、介護のニーズは高いものの「きつい・きたない・安月給」のイメージが先行しており、常に人手不足なのが現状です。
また、熱意を持って仕事についたものの、想像していたと違うとの理由で離職する場合も多々あります。
しかし、よくテレビや新聞で報道されマイナス面ばかり目立つ介護職ですが、プラス面もあるのも確かです。
ここでは、介護の仕事とはどういうものか?メリット・デメリット含めて説明していきたいと思います。
介護未経験者の疑問!排泄介助ってどうなの?
オムツ交換やトイレ介助等、いわば他人の下の世話を行うわけです。
トイレへ移動中に小便や大便を靴や洋服に漏らされる、匂いがキツイて洋服に染み付いた感じがする、オムツ交換中に抵抗され上手に交換出来ない、果てには排泄物を投げつけられる場合もあります。
病院系列の職場では、オムツ交換の際にビニール製のエプロンとビニール手袋を装着するのですが、殆どの職場では着用しません。
どうしてだと思いますか?
装着するのがめんどくさいというのもありますが、一番はユニットケアが流行り始めたからです。
ユニットケアとは、簡単に言いますと自宅と同じ生活スタイルで毎日を過ごしてもらうと言う事をいいます。
皆さんは自宅でトイレをする際にビニール手袋やエプロンを装着しますか?
殆どの方がしないと思いますし、そもそも物品を置く場所もないですし処分する場所も必要です。
その為、自宅で装着しないのにどうして自宅と同じケアを行っている施設でしないといけないのか?と言う理由で装着しない施設が増えてきています。
ただ、ビニール手袋だけは装着をする事を義務付けている施設がありますので、見学や就職活動の際に確認すると良いでしょう。
ただ、私は介護職について10年経ちますが排泄ケアについては半年もせずに匂いや汚染物に慣れました。
手についたとしても洗えばいい事ですし、汚れは洗濯することで取れますので、途中で気にならなくなりました。
介護未経験者の疑問!身体的負担はどうなの?
いかに力が強い方でも、どうしても体を痛めてしまいます。
イメージをしてみて下さい。身長160cm 体重65kgの方がいます。
その方を車椅子からベッドに移す介助を行うとします。
介護の仕事に就いたことの無い方は一見簡単そうに思えますが、これが両足まったく立つことが出来ないと考えたらいかがでしょうか?
全体重があなたの両手にかかってくるので、負担は相当なものです。
加え脇の下に手を入れて持ち上げようとすると、利用者様の肩が脱臼・骨折する恐れがあります。
このような方を介助する時によく「ぶら下がり健康器」とも言われ、言葉通りぶら下げた状態で移乗する場合があります。
しかし、介護技術(トランスファー等)を習得しスライディンボードやリフトなどの介護機器を使用することで身体的負担は軽減出来ます。
また、施設での介護業務と通所系や訪問系での身体的負担は違いますので、体力に自信の無い方は施設系を選ばないほうが良いかと思います。
しかし、その副産物として給与に影響してくるのがまた痛いところですが・・・
介護未経験者の疑問!介護士の給与はどうなの?
よく介護職は給与が安いと聞かれることが多いと思います。
実際給与自体はよくありません。
2014年度になりますが、30代前半他職種の平均年収350万前後に対し、介護系は平均310万と40万前後の開きがあります。
また、年齢を重ねるに連れ格差はだんだん広がっていきます。
私は地方でケアマネージャーをしていますが、病院系列でも20万行きません(30代後半)
これが訪問系や通所系だともう少し給与が落ちてきます。
もちろん職場により給与水準は多少上下はしますが、給与は高いとは言い難い職業と言えます。
しかし、共働き+周りの方のフォローがあれば家庭を維持することは難しくありません。
今後も需要が確実に増えていく仕事ですので、景気に左右されること無く安定した仕事だと割り切っても良いかと思います。
介護職に就こうか迷っている人へひとこと
正直デメリットばかり記載してきましたが、皆さんはどう感じましたか?
熱意や希望を持っているからと行って、継続出来るほど甘い仕事ではありません。
また、介護職は未だに誰でも出来る職業と思われているきらいがありますので、社会的地位も高くありません。
病院系列は最たる例で、「介護職=手足」と考えている医師・看護師がいるのが現状です。
なので「最後の手段で介護職になる!」のではなく「一回どんな程度のものか経験してみるか」程度の軽い感じで仕事をやってみることをオススメします。
最後の手段と退路を断ってしまうと、仕事上での問題に直面してしまうと身動きが取れず鬱になる可能性もあります。
まずは気楽にダメ元で、「別に介護の仕事が出来なくてもいいや。他にも仕事あるし」の精神で就職活動をされてみてはいかがでしょうか。