介護の仕事は職を失う事無く次のステップを目指せる
介護職への挑戦!介護人として生きていく~介護士としての明確な目標編~
介護をある程度経験して色々な方向性が見えてきます。
そう、介護とは何も介護職だけではなく職種は限定されません。
そんな介護職に付随する他職種への心変わり、また方向性について見ていきましょう。
介護の仕事中 大きなトラブルに直面する その1
結構特殊ではありますが、特養等の老人ホームでは夜勤を伴う事もあり日々いろんなことがあります。
筆者がある夜勤の事、入所者の男性が部屋にいないという事がありました。一人で巡回をしている時間でした。
全盲に近い視力でしたが、トイレ等には歩いて行ける入所者Tさんでした。何となく「トイレにでも行ったかなぁ」と探していると、部屋を出た廊下で見かけました。
どうしたのか聞くと、女性の入所者で前から気になっていた人が居たからそこへ行こうとしたと返ってきました。
ま、男性ですからこんな事もあります。未然に防ぎ何とか事なきを得た訳です。
介護の仕事中 大きなトラブルに直面する その2
しかし数時間後、また気になって見に行くと部屋に居ません。
探していると「そのお相手」のベッドに潜り込んでいました。
びっくりして先輩を呼びに行き、経験のある先輩から注意をしてもらうという一幕がありました。
更にそこから数時間、Tさんと同じ部屋の他の入所者から「物音がするから来てみてくれ」との呼び出し音が鳴りました。
何事かと慌てていくと、Tさんが部屋のカーテンレールに紐を引っかけて首を吊っているのです!!
一瞬気が動転しました。何をすべきかは考える事もせず、宙吊りになっているTさんを片手で持ち上げ、もう片方の手で紐を外しベッドへ投げる。
ほんの数秒の出来事でした。幸い息はしています。あと少し遅かったらと考えるとゾッとします。
聞くまでもありませんでしたが、理由は「女性とベッドに入っている所を見られたから死にたい」との事でした。
まあ気持ちは分かりますが、こんな事もあるのが施設夜勤でもあります。
生活相談員の役割
そんなこんなでやっぱり朝を迎えるとホッとするのですが、今回の「自殺未遂事件」については当人だけの問題では済まない事例です。
そんな時、諸問題を解決に導くのが「生活相談員」になります。このポジションは「入所者がサービスを利用するための環境整備」が主な仕事です。
当然、一定の占有資格によって定められており経験も豊富な方が配置されています。
そのため、施設における困りごとを解決するのが相談員と認識されています。
家族への連絡、市町村とのやり取り(管理者が行う場合もある)、他サービスとの連携を上手くやってくれます。
今回のような「ちょっと特殊な」事例についても、結果として丸く収めたのです。家族としては「父(Tさん)をここへ置いてほしい」と言わしめたのです。
そんな生活相談員の仕事に魅力を感じた瞬間でした。
施設内イベントでも活躍する生活相談員 その1
老人ホームというものは、性質として保育機関と似ている部分があります。
それは「福祉」から成るものであるからでしょうか。
「施設内の生活であっても季節を感じてもらう」事を目的として、運動会等の季節イベントが催されます。
この時に力を発揮するのも生活相談員となるのです。介護員は介護に忙しく、またそれが本業でもあります。
介護員の頃の筆者目線で話をすると、「介護している横目に楽しそうに準備している」ように見えました。
そんな生活相談員を羨ましくも、憧れの目で見ていました。
施設内イベントでも活躍する生活相談員 その2
ですが、準備だけを楽しそうにやっていた訳ではない生活相談員です。実際のイベントにおいても一括して司会を引き受け、盛り上げるそんな役目でもありました。
介護員も入所者の家族と関わる瞬間はあります。
しかし、生活相談員はもっと深いところで、しかも入所の始まりから関わっています。
家族からの信頼は大きく、イベント等においては家族が来る訳ですから司会や進行においては適任と言えるでしょう。
介護を主としてやって来た筆者とは話術もそのスキルも違いすぎます。
見事の一言でした。入所者に「笑い」を提供しているのです。
これも立派な介護と言えるでしょう。筆者はこの生活相談員の方を師匠と崇めています。
介護業界での仕事は横の繋がり
特養だけではありませんが、介護の仕事をしていると横の繋がりが多くなってきます。
これは国が行う研修等にも要因していますが、一番は「介護員同士が介護の世界で仕事を続けていくために」自然と発展している良い点となっています。
現在介護をしている「仲間」は非常に多く、研修等に参加すると非常に簡単に介護員同士仲良くなれたりします。同じ苦労を知る者同士というところでしょう。
筆者も実はこの特養を3年で退職しています。理由としては準職員として1年更新だったからです。
3年というと、実は国家資格である介護福祉士の受験資格が得られます。
これにより、この業界における「違った道」が大きく拓けてきます。
前述において、筆者はすっかり生活相談員の道に憧れてしまいました。
そのため、当時の師匠である生活相談員になりたいと思うようになりました。
それを見越した師匠が「違う道を目指せるように」諭してくれました。
これにより退職に至ったのです。
これも横の繋がりと言えるものでした。目標を見つけても、「職を失う事無く」次のステップを目指せるのも介護職のメリットと言えるものです。