新規オープンの有料老人ホーム介護スタッフ募集に応募してみました
私がオープニングに応募したのは、有料老人ホームの介護スタッフの募集でした。
新しく建てられた施設で、入居者もスタッフも同時募集というものでした。
介護の知識も資格もなかった私は正直迷いもありましたが、当時は東日本大震災後で求人数も少なく、子供が3人もいる私をパート職員として雇ってくれる企業もない状態でしたので、勤務日と勤務時間が子持ち主婦の私には好条件だったので、思い切って介護の世界に飛び込むことにしてみました。
4月1日オープン&初出勤です。
スタッフとも新しく入居される利用者様も初対面です。
出勤するまでははドキドキしました。ましてや初めての介護業界なので分からない事だらけです。
幸いにもこの日入居の利用者様はおひとりだけでした。私の印象としては見た目はなんともない普通のおじいちゃん。
普通に歩けるし普通に会話もできるし、トイレにも自分で行く事が出来ます。こんな方がなんで施設に入るのだろうと正直不思議に思ったくらいです。
食事も自分で食べることができるので、自宅で生活する能力が十分にあります。
初日はこのおじいちゃんの話を少し傾聴したり、施設の中を案内してもらたりスタッフの名前を覚えたり、入社書類の手続きをしたりであっという間に終わりました。
この入居したおじいちゃんはかなりの強者でした。前の施設でトラブルがあり、新規オープンのこの施設に異動になったようです。
78歳という年齢なのに、前の施設で入居していたおばあちゃんをアイスでつって部屋に呼び出し、女性の下半身を触っていたことが介護職員により発覚し、強制退去になったようです。
この施設に異動になってから数日後、おじいちゃんは本性を出してきました。
ナースコールが鳴ったのでお部屋へ行くと、介護職員の身体を触りました。でもベテラン介護職員は手慣れたものです。
触った事に対して怒るわけでも驚くわけでもなく、ただおじいちゃんの話を傾聴し話し相手になってあげると、あんな事してごめんと素直に謝り、それからは一切触らなくなりました。
問題行動を起こして注目されたかったのか、寂しかったのかと思ってしまいました。
まるで構ってもらいたくてイタズラする子供と取る行動が似ています。
介護業界初の私には衝撃でした。
介護を必要とする方は寝たきりや動けない人というイメージしかなかたのですが、身体能力はあり身の回りの事は自分でできても、問題行動を起こしたり認知症を患っている人も介護が必要だという事です。
オムツを変えたり、トイレへ誘導してトイレ介助したり、入浴や食事介助する事だけが介護の仕事と思っていましたが、こうして心の介助も介護の一つなんだと、介護業界で実際に働いた人にしか分からない喜びとやりがいを感じました。
経験も資格もない私にとって、特に心に響きました。
これから働きながら資格をとって立派な介護職員になろうと思えました。
私はこの施設の求人を職業安定所でたまたま見つけて無資格、未経験でもOKということで応募しました。
当時介護施設の募集に人材派遣会社という発想はなかったのですが、今は介護業界の求人を多く扱う人材派遣会社もあるようです。
今からはさらに介護職員が不足してくる時代です。
団塊世代の人たちが介護を必要としますので、これから介護施設オープンに伴いスタッフのオープニング募集が増えてくると思います。
職業安定所でも十分に探すことはできますが、人材派遣会社の方がより多くの求人と情報を持っていると思います。
また自分の情報を登録することで、自分に合う施設を人材派遣会社の方から求人案内の連絡がもらえますので、介護関係の仕事に興味があってもなかなか踏み出せない方もまずは登録する事で一歩を踏み出せると思います。
どうせ資格がないから無理と思っている方も多くいると思いますが、資格が必須の施設ももちろんありますが、無資格でも働ける職場もたくさんあります。
介護施設で働きながら、初任者研修の資格をとり、そこからさらに介護福祉士や介護支援専門員など、資格の幅が広がると共に介護職の仕事の幅も広がります。
30代の若い間は介護現場の仕事をしながら資格をとり、40代以降は資格を生かし現場を離れて介護に関わる書類業務に回る方も多くいます。
お世話をした人生の先輩に「ありがとう」と言われると、本当に嬉しいですし大変な事もたくさんありますが、やりがいがある素晴らしい職種と思っています。