介護士が語る!人間関係の苦しみを解決した私の方法
高齢化社会・・・。ちょくちょく耳にする言葉ですが、普段からそのことを意識しながら生活することってあまりないですよね?
テレビの特集などで介護現場を取材したものをたまに目にしますが、あれはほんの一部にすぎません。
ここではあまり知られていない介護現場の実情を、私の経験談と合わせてお話していきたいと思います。
人間関係が原因の転職はアリかナシか
仕事をする上で人間関係に悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか?
私自身もこの問題には何度もぶち当たったことがありますし、介護をやっている友人もみな同じ悩みをもっている人ばかりでした。
人間関係で苦しむ度に、もう辞めたい。明日から会社来たくない。と転職を考えたものです。
人によっては職場の人間関係の悪化で体調を著しく崩してしまう方もいるので、そのような時は転職を選択肢の一つに考えるのはありだと思います。
しかし、新たな転職先を同じ介護で考えているのであれば、もう少し考えた方が良いかもしれません。
先ほどお話したように、この悩みは介護現場ではかなり多く聞かれることなので言葉を変えれば、どこに行っても一緒。ということで新しい転職先でもまた同じようなことで悩まされる可能性があるのです。
ここで私が実際に行った悩み改善策は、誰か1人に相談することでした。
私の場合は直属の上司に相談したのですが、これは自分が信用している方なら誰でも大丈夫です。
ただ相談するのは極力1人(多くても2人)がベストです。
複数の人に相談すればそれだけ話が漏れて、相手側に伝わってしまうリスクがあります。
私は上司に相談したことでシフトの時間を少しずらしてもらえたり、受け持ちユニットを替えてもらえたりでかなり精神的に楽になったので結果転職を回避することができました。
私が経験した介護現場の現実
昔から言われていますが介護業界は慢性的な人手不足のため、現場で働く職員には常に負担がかかっています。
私が働いていた施設では夜勤者は1人で20名を見ていたので、5名の利用者さんから同時にコールが入ることも珍しくありませんでした。
そして夜間は徘徊をしてしまう方が多いので、他利用者さんの居室に入らないようにするのと転倒にも注意しながら排泄介助をしなくてはいけないので、気が休まることはありませんでした。
また夜勤の巡回中に入った利用者さんの部屋が、一面排泄物で汚れていた時はどこから手をつければいいのかわからずに、しばらく途方に暮れてしまったこともありました。
自分を強くしてくれた介護職
私が初めて介護士として働きだしたのは19歳のころでした。
そこの職場は自分が一番年下でまだまだ未熟者の常識知らずのところがあったので、介護士を始めたばかりの時は様々な社会の洗礼を受けました。
毎日先輩に注意されては、休憩中にお弁当を食べながら一人泣くというのも日常茶飯事。
「あの子はまだ若いからしょうがないよ」と言われることが悔しくて、早くみんなと同じようにテキパキ仕事ができるようになりたいと必死でしがみ付いていたものです。
私はもともとメンタルが弱い人間で、自分でもいつまで続くか心配だったのですが、ひとり立ちとは突然やってくるもので気づいたら自分だけでだいたいの作業は出来るようになっていました。
そうなると自分に自信がついてくるので、また新しいことを覚える心のゆとりができたのだと思います。
1割の喜びのために介護をする
介護についていろいろと話してきましたが、私が介護を始めて間もないころ先輩に「介護は9割がきつくて、残り1割はほんの小さな喜び」という言葉を教わりました。
非常に割に合わない気がしてしまいますが、きつい仕事の中でも利用者さんから言われた「ありがとう」の一言だったり、車いす生活だった方が回復されて自分で歩いていたり、そんな些細なことで幸せな気持ちになれるのも人間の良いところだと思います。
これからますます高齢化社会という問題が深刻化していくであろうこの世の中。
何に喜びを感じるかは人それぞれではありますが、その小さな1割に介護の未来や意味があるのだと私は思います。