介護を続けるために!経験者がホントに為になる事言うよ
介護を続けるために
介護離職者が多いとニュースや新聞では頻繁に叫ばれています。
実際に社会問題化しており、これが原因で施設運営がうまくいかない例も出てきています。
でも介護の現場は今日も回っていますよね。ということは「辞めない誰か」がいて、介護がなされているんです。
そんな辞めない誰かは「何故辞めないのか」、少し検証してみました。
何がそんなに楽しいの!?聞いて分かる介護の面白さ
介護をやる理由は結構簡単に考え付くものだったり、予想も比較的容易であると言えます。
では「続く理由」はなんでしょうか。
筆者が続ける事が出来た理由は、介護人としての成長が一番でした。
出世を狙ったと言えば分かり易いでしょうか。
でも調べていくと本当に納得させられる理由が次々と挙がってきました。
楽しいと感じるより充実感が大きいようです。
その充実感が明日の介護をまたやる気にさせているようです。
介護の仕事は同じケースが殆どありません。
特に利用者というのは随時入れ替わりが発生します。
毎回起こる人間観察は色々な違いがあり、そこに興味を持ち「対応していく充実感」が生まれるようです。
老人ホームで言うと、入所する事で生活の基盤が大きく変わる訳です。当然「慣れない」高齢者が多くいらっしゃいます。
こういったケースがほとんどで、生活は落ち着くまでが介護者側も非常に大変で、この期間がいかに短く出来るかも介護者側の手腕とも言えます。
介護はサービス業でもありますから、これを回していくのが充実感に繋がったりしています。
言い方は悪いですが、「困難を乗り越える」事が面白いと感じる介護者は非常に多いですね。
介護の見方を変える、不思議な経験値
介護の経験値が増えていくと当然レベルアップしていきます。
ロールプレイングゲームのように呪文まで?覚えたりします。
例えがオーバーかもしれませんが、経験してくると介護者として利用者と話す言葉にも「重み」が出てきます。これがいわゆる呪文なんです。
若い職員が諭すように利用者へ話しかけても聞き入れてもらえない場合、これが熟年経験者だと聞いてもらえたりします。
よくある事です。
風格というか、オーラみたいなものが出るのか「言葉に重み」を与えます。
介護を受けているのは高齢者ですから、若い人相手だと少し軽く捉えている方もいたりします。
ですが逆に、若い人や初心者からの意見しか聞き入れてもらえない場合もあるのです。
介護の現場でずっといる職員を嫌う高齢者もいたりして、常に「新しい人」が好きな傾向にある高齢者はこうある場合が多くなります。
経験の有無に加え、その人当り等も含めるとすべての利用者に好かれている仏のような人はまずいません。
ですから働いている職員の「幅」が必要で、まさに適材適所という対応が求められることも多々あります。
経験を積んでくるとその辺が見えてくるのもあり、呼ばれても場合によっては新人に「行ってきて」と頼む事もあります。
結果、その対応で利用者が喜んでくれるなら間違いではありません。
経験値はそういった「状況を見通せる能力」が自然と身に付きます。
サービス業における人間観察が上手という能力にプラスして、高齢者を見るスキルが身に付くとでも言いましょう。
経験が増えていくと「人間(高齢者や弱者)を見る回数」が増えるため、介護自体の見え方が変わってくるもので、ただ大変な仕事という感覚すらなくなっていきます。
言い方を変えると「生活コーディネーター」みたいなポジションになっていきます。
看取るという重要な役割を得る仕事
介護の仕事にいずれついてくるのが「看取り」の瞬間です。
人間の死は原則として自宅か病院である事なのですが、場合によっては病状の悪化や老衰などで施設で死を迎える利用者もいます。
これも言うなれば「経験」の一つであり、願うなら起きて欲しくない事態ではありますが、介護と切り離せない事象でもあり経験することもあるかもしれません。
こう言う筆者も当然「その瞬間」に立ちあった事はあります。
当然喜ばしい事ではありませんが、人間が終焉を迎えるその時に立ち会うというのは何とも言えません。
偶然ではありますが、家族でもない人間が傍にいて亡くなる訳ですから、その本人はどんな気持ちなのか想像もつきません。
ですがその瞬間が訪れた時、身内ではないにしろ「誰かがいる事」は重要であり、そして「その誰かが自分」というのはやはり大事な役割だと思います。
これは医療関係者でなくては基本的に経験はしないでしょうし、自分の人生においても重要な意味をもたらしてくれます。
「死を迎える事」は何となく分かっていますが、普通人間はその事をまじまじと考える機会は少ないはずです。
自分もいずれそうなる事を受け入れる、そんな気持ちの一握りでも感じる事は出来ました。
高齢者と関わる仕事ですから「別れ」はたくさん経験してきました。
でも「悲しみ」とは違う、不思議な感覚でもあります。
本人から、そして亡くなった後に家族から「本当にありがとう」と言われると、何となく「出来なかった事をしてくれて」と言われてるような感じもあります。
介護の仕事は現代の社会において「出来ない事」を率先してやる仕事なのかもしれません。
介護とは人がやりたくない事であってはなりませんが、社会の溝に落っこちているような出来事とも言えます。
でもこの「溝」は必ず埋めていかなくては、飛び越える事は出来る訳もなく社会全体が回らなくなる恐れすらあります。
そしてもしかすると介護を続けている人は「その事を自覚している」かもしれず、社会貢献を本当に強く思っている人なのかもしれません。
介護の仕事に対してそんなに重い考えは必要ありませんが、関わる事で社会の一存である事も間違いありません。
続かない仕事ではありません。やってみるとその面白さが分かってくる、噛み応えのある仕事です。