どこの介護施設に転職するにせよ、自分自身の介護スキルは磨いていかなければならない
介護士、介護福祉士に重要なコミュニケーションスキル
どこの介護施設に転職するにせよ、自分自身の介護スキルは磨いていかなければなりません。
ではコミュニケーションとはどういうものなのでしょうか?
コミュ二ケーションは、一方的な情報伝達ではありません。
情報の伝達というより、双方向的な意味が大きいです。
介護の現場でも相手の気持ち、相手が思っている事を取り出すためにコミュニケーションは必要不可欠です。
ていうか、介護の仕事の80%がコミュニケーションによって決まるように思います。
それは介護の仕事を今やっている、現役の私だから思うことかもしれません。
ヘルパー2級を受ける時に教えてもらったのは以下のような教科書的な事でした。
相互の立場や価値観や思い、立場や価値観や思いをやりとりするのがコミュ二ケーションの本質といえるかもしれません。
対等な立場で意思の疎通を
介護現場でのコミュニケーションはホント、乱れています。特に言葉使いが悪いです。
ですが、ここではそんな風に言葉使いが悪いという事は置いておいて、コミュニケーションの要所についてお話しします。
介護ではコミュニケーションが大切です。
ナースの手すくみ
医療や看護の現場では、ときとして自分の本心ではないことを伝えなければならない場面があります。
たとえば、ガンであることを知らされていない患者に「あなたはガンではない」とうそをつかなければならないとします。
そんなとき、言葉ではうまく話したり、表情や手がこわばるなど、信号を送っているものです。
これは”ナースの手すくみ”ともよばれます。
看護師は患者に対してどうしてもうそをつかなければならない場面があります。上記のような場面では態度に出てしまうのです。同じように、介護現場でもこのような事は少なくありません。
心のこもってない介護は見破られる
帰宅願望のある利用者はその場しのぎの言葉を見やぶりますし、認知症のお年寄りは自分への関わりが好ましいものかそうでないかを直感的に理解するものです。
幼児でも同じで、一般的に立場が弱い人ほど、矛盾した信号が送られていることを敏感に察知します。
お年寄りとのコミュニケーションは、相手が弱い立場になっていないかを配慮しながら行うのが基本です。
相手の気持ちになった介護をする、という事ですね。
介護士として他の施設に移っても使える、非言語的コミュニケーション
言葉だけでなく非言語的コミュニケーションも駆使しなければなりません。非言語的なコミュニケーションとは、視線…たとえば優しく見つめるとか、ボディタッチするといった事です。
それもただ見つめるのではなく、こっちに感情が入ってないとダメです。ボディタッチもそうです、相手に伝わるものがないとダメです。
動物学者のデズモンドは以下のように言っています。
非言語的信号を発しながら人とコミュニケーションをとっていますが、その信号は矛盾に満ちてるといいます。
そのときに信頼できるのは、人の最も注意がいき届きにくいところが発している信号との事です。
なんか怖い話ですよね。こう考えると嘘つけないって事になりますから。
その意味では、自律神経の信号はもっとも信頼度が高く、逆に言葉の信頼性はもっとも低いことになります。
それは自律神経はコントロールしにくく、逆に言葉は簡単にコントロールできるからです。
ことわざにも「目はロほどにものをいう」といいます。
言葉よりも表情のほうが、また、目が自分のほうを向いているかといった動作のほうが信頼度が高いのです。
介護職として本当に技術の高い職員とは心が磨かれていて、その心でご老人とコミュニケーションできるような強さを持った人だと思います。これはちょっと文では伝わりにくい事ですね。
介護現場で、本当に尊敬できる上司の介護を見ていて、この事が私にはわかりました。
もし、今、介護職をやっているけれども、そういう上司、同僚に恵まれていない方は、そういう方にまず出会えるように職場を変えるっていうのも手かもしれません。