ケアマネージャー資格とは?
ケアマネージャーは日本の介護問題を変える資格
現在介護を取り巻く環境は多種多様化されています。
昔は介護といえば、寝たきりのおじいちゃん・おばあちゃんのオムツを交換して、食事を食べさせて家でゆっくりと最後を待つのが常識でした。
しかし、今では家で亡くなる方は殆どおらず、入院先の病院や施設で亡くなる方が約8割を超えています。
また、昔は痴呆と言われていた病名は認知症にとって代わり、認知症にも色々な種類がある事が分かってきました。
加え、日本の平均寿命は男性80歳、女性86歳と世界でも有数の長寿国ですが、健康寿命に関しては男性が71歳、女性が76歳と平均寿命との差が10年あります。
つまり、なんらかの介護の必要な期間が平均して10年あるという事です。
では、その介護を支えるのは誰でしょうか?仕事をしている子どもでしょうか?それとも孫でしょうか?それとも甥っ子姪っ子でしょうか?とても難しい判断だと思います。
実際介護に直面すると家族は何をすればよいか分からず混乱に陥り、適切なケアが実施できないが故に重大な事故が発生する恐れもあります。
また、本人様自身も混乱され周りとの関係がギクシャクする危険性もあります。
そこで、総合的な福祉のエキスパートとしてケアマネージャーの出番となるのです。
ここでは、そのケアマネージャーを取るにはどうすればよいかを説明していきたいと思います。
そもそもケアマネージャーとは?
元々は「介護支援専門員」といいますが、世間一般ではケアマネージャーの呼称が一般的になっています。
仕事内容としては、要介護者及び要支援者、家族様に要望や困りごとなどを確認し、それを解決する為の手段としてケアマネジメントをを行いケアプランを作成します。
また、ケアプラン作成後も適切にプランが実行されているか?実施しているケアは本人様や家族様にとって適切か定期的に確認、その都度評価を行います。
加え家族様が入院などの理由で介護力が急激に低下した場合などの緊急事態に即対応する判断能力とフットワークの軽さが必要になってきます。
特に居宅系はプランニングひとつで本人様や家族様の運命を左右する事もあり、責任がとても重い職業だと言えます。
居宅系と施設系の違いってなあに?
ケアマネージャーは大きく分類して二つあります。
ひとつは自宅に訪問する「居宅系」、もうひとつは施設内でのプランニング等行う「施設系」に別れます。
居宅系では、24時間対応の所がほとんどで肌身離さず携帯電話を持っておく必要があります。
月一回の自宅訪問を行い、現在の状態把握と問題点の洗い出し、それによる解決方法を見出し関係各所への連携を図ります。
また、サービス担当者会議というケアプランの検討会を行う際には本人様・家族様・関係機関の皆さんに集合してもらうのですが、都合が合わず日曜日や夜間に開催することもあります。
施設系では自宅に訪問する必要もなく、日常生活を直に目の当たりにするのでプランニングはしやすいかと思います。
しかし、勤務表のとおりに仕事をするのですが、私のように介護士を兼任している場合には他職員のように交代勤務や夜勤業務もあり、日々の業務に追われプランニングをする時間がないのが現状です。
業務の大変さや責任の重さで離職する人も多く、ケアマネージャーを取ったはいいけど実務はしませんよとの方も複数見られます。
実際私が研修を受けた時は、約半数の方が腕試しでケアマネージャーを受験したと言われていました。
しかし、福祉の現場では絶対に必要な人材ですので常に求人は出ている状態であり、転職に有利な資格とも言えます。
ケアマネージャーの資格を取るにはどうしたらいいの?
以前は介護資格の有資格者で実務経験が5年以上若しくは無資格でも実務経験10年以上あれば受験可能でしたが、2018年度より受験概要が変更になりました。
特定の国家資格(医師や看護師、介護福祉士等)を有し、5年以上の実務経験及び相談援助業務従事者で5年以上になりました。
つまり、介護を0からスタートする方は、まず3年以上の実務経験と積んで介護福祉士を取り、その後5年以上の実務経験を積んでケアマネージャーの受験資格が得られるので、最短でも8年かかることになります。
また、試験問題も以前は基礎資格により控除される所もありましたが、2015年度より60問すべて問題を解くように変更になりました。
平均合格率は15~20%前後とお世辞にも高い数字とは言えませんが、しっかり前準備すれば難しい事はありません。
いまのうちに取得するのが得策と考えます。
おわりに
いかがでしょうか?
今後高齢化社会になると共にニーズが高くなる介護の現場の中で、ケアマネージャーの役割は益々重要になってきます。
責任はそれだけ重いですが、逆にやりがいはとてもある職業です。
本人様だけではなく、家族様にもよりよい生活を過ごしていただくために尽力する、それがケアマネージャーなのです。