介護未経験者へ!さりげない会話でトイレ誘導するテクニック
介護職への挑戦!介護人として生きていく~話が出来ない編~
介護を実施するにあたり、その全てに共通して「やらなくてはならない事」があります。それは会話なのです。
実際会話と言うのは、実は本当に難しいものです。
何気なく他者としている会話、そんな会話について少し考えてみましょう。
これが無くては介護が成立しない!?とまで言えるものです。
介護の前に会話
先輩について回る中、メモした仕事の手順の一番最初に書いてあるフレーズがあります。
それは「挨拶」です。小学生のようなこの単語ではありますが、これが実は介護の入り口とも言えます。
親しき中にも礼儀ありと言いますが、介護においてこの意味はイヤでも習得する事になります。
どんな種類の介護でも、どんな場合でも必ずその前に「何かしらの挨拶や声掛け」をしなくてはなりません。
これは国家資格でもある介護福祉士の試験にも含まれ、実技試験では採点項目になっています。
それぐらい挨拶は重要と言えます。国が定めているのですから、そう考えるだけでも重要性が伝わってきます。
介護の仕事 オムツ交換
例えば介護の代表例でもあるオムツ交換です。
この介助(介護を実施する呼び方を「介助」と言う)を行う場合、当然や要介護者の身体に触れる瞬間が出てきます。
そんな時、いきなり挨拶や声掛けもせずに衣類を脱がせオムツ交換に入るでしょうか?これではある種の痴漢行為とも言えます。
やはり何かしらの声掛けによって介助がスタートします。これは他の介助においてもこの通りです。
挨拶から始まる会話が、その後の介助を大きく左右すると言っても過言ではありません。
会話をしてみようと試みる新人介護士
会話の重要性は分かりました。では実践です。
「こんにちは、、、。」以上!この後が続きません。
新人としての緊張もあってか、会話が無いのです。
経験がまだ無いのでそうかもしれませんが、もう少し何か欲しいところです。
そこで気付きます。対象者の名前すら知らない事に。名前も知らず挨拶をされたのでは、ハッキリ言って他人でしかありません。
もし挨拶の前に「○○さん、こんにちは」と入るなら会話は広がったりします。「あれ?なんで名前知ってるの?」と。
状況により良くも悪くも働きますが、そこから「実は最近働き始めた○○です。宜しくお願いします」なんて事になるからです。
もうここまで来ると大半の入所者は「年はいくつ?結婚は?若いのに偉いねえ」なんて、まだ何もしていない自分ですら褒められたりします。
会話が出来ないと「介護は前に進まない」という事です。この会話はどんどん親しくなって、当たり前にならなくてはいけません。
いつまでも「一見さん」では入所者もその先を期待出来ませんし、老人ホームにおける要介護者は「入所」者なんです。
棲家としてそこにいる事も忘れてはなりません。ですからいつまでも初対面のように「こんにちは」ではいけないのです。
この時バランスを取る言葉、それが「親しき中にも礼儀あり」なのです。突っ込み過ぎて自分のばあちゃんのようになってしまっては「サービス」は成り立ちません。
あくまでも介護サービスの中で行われる訳ですから、挨拶と会話は介護を非常に密接な関係がある事を念頭に置いておきましょう。
時に会話は介護を越える
別にラップのように韻を踏んでいる訳でもありません。ですがこの言葉は大きな意味を持ちます。
話術によるところが大きいのかもしれませんが、介護の仕事をしていると「ついつい長話になる」事も多いでしょうし、悪い事でもありません。
例えば入所者からどこかへの移動をお願いされたとします。これは普通に会話をしながら、手を引いたり車いすを押したりと、何の問題もありません。
問題と言うと大袈裟かもしれませんが、特養においては定期的な介護側による巡回にあたるシーンが数多くあります。
命を預かる施設でもありますから必要な事であり、これが介護員の一番の仕事と言えます。
入所者が意としない、介護員側の都合や理由によって顔を合わす場合、これは会話が益々重要になってきます。
本来介護というのは「要介護者が必要とする手助けを施す」ものです。ですが、特養等の施設において必ずしもその通りであるとは言えない状況があります。
オムツ交換であったり、入浴介助であったりそれは様々な状況があります。
これはあくまでも「入所者は意としていない」場合です。
助けを求めているのではなく、介護員側が「確認」を必要として介護に伺う場面があります。その時入所者からすれば「何しに来たの?」が普通でしょう。
言いなりで介護を受けている訳ではありません。それなのに介護員がやってきたら「何か用事?」は普通の流れです。
頼んでもいない事に対して、断り方は様々ですが受け入れてくれる訳はありません。
時に会話は介護を越える
そんな時「会話」が活きてくるのです。本題には触れずに会話するだけ、そしてその中から本題の答えを求める、そんな介護が必要です。
介護をする事が「介護員側の都合や理由となる時」に、中々結果を得られない瞬間は多々あります。
本題の答えを「会話のついでに」求められるなら、それは会話が成功したと言えます。
例えばトイレ確認に来たとします。でも人にとって「排泄」はプライバシーに当たる部分であり、簡単に話したい事でもありません。
その時「トイレに行かない?」では、親しき中にも礼儀ありが成立していないでしょう。
唐突に来て何言ってるのか意味すら分かりません。
「さっき面会の方が来ていたけれど、どちら様?やはり面会は嬉しいものですよね。次また来てくれるといいですね」
「ところで最近体調は?ついでに世間話でもしていこう。そうそう、忘れてたトイレに行きたい時は伝えてくださいね」
など、一見会話をしに来ただけのようにして本題の答えを導くような会話が理想的なのかもしれません。
どこまでいっても介護はサービスであり、サービスは不服なく提供されなくてはなりません。
こちら側の一方的な都合で推し進められてはならないのです。
「ついでに」本題の答えを聞けるのであれば、その瞬間会話が長くなり楽しい時間を提供出来たのなら全然問題ありません。
会話が介護を越える瞬間です。
「話ばかりしていないで仕事してよ」なんて先輩もこの業界にはいますが、そのなのナンセンスです。