未経験介護職やる場合の仕事の覚え方とは?介護講師が解説するよ!
介護スタッフは利用者を相手とする仕事であるため、業務以外にも介護方法や利用者の特徴を覚えていく必要があります。
変則勤務をする中で仕事内容を覚えていくため、特に未経験者は慣れるまでが大変です。
しかし、要領よく介護業務を覚えることによって周囲にも認められやりがいを持って仕事をすることができます。
介護スタッフは周りの職員も親切に指導してくれるためやる気さえあれば必ず仕事を覚えることができるのです。
今回は介護スタッフの仕事の覚え方について元介護スタッフがお伝えしたいと思います。
未経験者はこれを読むのと読まないのでは大きな差があるため、ぜひ参考に読んで下さい!
未経験者は利用者の名前から覚える
介護スタッフの主な業務は利用者の介護です。利用者の介護をするためには利用者の名前を覚えなければ事が始まりません。
まずは名前と顔を一致させることから始めましょう。利用者は1フロアに7名~25名います。
自分の担当フロアの利用者は必ず覚えましょう。
利用者の名前を覚えるコツとしてメモ用紙に利用者の似顔絵や特徴を書くことが大切です。
また、利用者に声かけをする時に積極的に名前(苗字)を使うことで早く覚えられることができます。
その他にも写真をプリントして職場内で見ると早く覚えられるでしょう。利用者を撮影した際は個人情報であるため必ず職場内で利用するようにして下さい。
介護業務の視野を広げるためにはまず利用者の名前を覚える必要があります。自分に合った方法で早く覚えられるようにしましょう。
未経験での介護職スタートなら、まずは利用者の座席と居室を覚える
利用者の介護は名前を覚えるだけではできません。利用者の生活場所となる居室や食堂の座席を覚えなければ探す時間がかかるため迷惑を掛けてしまいます。
利用者が困った時もすぐに駆けつけられないと信頼を失ってしまうでしょう。
座席の覚え方として、座席図を書いて当てはまる場所に利用者の名前を書くとすぐに覚えられます。
座席図をメモにして持ち歩くと急な時もパッと確認できるのでおすすめです。
居室も座席と同様に見取り図を書いて当てはまる所に利用者の名前を書いていきましょう。
居室名(又は番号)も忘れずに書いて下さい。
介護スタッフはナースコールの対応や利用者を居室誘導する機会が多いため、居室図もメモに書いて持ち歩くと大変便利です。
どちらも名前を書くことで「個人情報」になるため、自宅に持ち帰って復習する場合は「〇田〇子」というように万が一落としても分からないように書くことが大切です。
未経験者は利用者の介護状態を覚える
利用者の名前を覚えても介護状態を理解していなければ適切な介護はできません。
まずは「食事」、「排泄」、「入浴」、「移動」、「歯磨き」の介護方法を覚えましょう。
利用者の介護状態は「全介護(全部介護する意味)」、「一部介護」、「自立」の3つに分けることで効率良く覚えることができます。
座席図に書いた利用者の名前の横に食事と歯磨きの介護状態を書きましょう。
そして居室図の利用者の横に移動、排泄、入浴の介護状態を書きましょう。
理由として入浴以外はその介護が行われる場所だからです。食事介護も歯磨き介護(一部の方)も座席で行います。
移動介護、排泄介護(一部の方)も居室で行われるため、この方が効率よく介護状態が覚えられるのです。
私もこの方法を実践して3週間程で覚えられたため、ぜひ取り入れてみて下さい!
未経験者は利用者の生活歴を覚える
利用者の介護状態を覚えれば終わりではありません。利用者は私たちと同じ「人間」です。
今まで生きてこられた生活歴があります。介護状態だけではなく、利用者の人柄や生活歴、趣味など「利用者のこと」を覚えることも大切です。
利用者のことを知ることで、思いやりや気づかいを持った優しい介護ができるのです。
利用者の生活歴などの個人情報はすべてカルテに記載されています。
カルテには利用者の生活歴や趣味、性格、家族の要望や介護計画など利用者の情報がすべて記載してあります。
もちろん個人情報なので持ち出すことはできませんが、メモを取ることは可能です。時間のある時に簡単でいいので生活歴や趣味をメモすることをおすすめします。
利用者のことを知っているのと知らないのでは利用者の見方が大きく変わります。もちろん介護を行う際も利用者のことを知っていると色んな配慮ができるでしょう。
利用者の理解は名前と介護情報だけがすべてではありません。生活歴や趣味など、視野を広げた利用者理解が「本当の介護」を行うために大切なのです。
未経験者は施設の一日の流れを覚える
利用者の介護を行うためには一日の流れを把握して先を読んだ行動が必要です。
時間を見ながら考えて行動することは利用者の要望に沿った介護へとつながります。
例えば利用者の介護に時間がかかり、食事介護や入浴介護が遅れてしまうようでは利用者に迷惑を掛けてしまいます。
そのため、介護スタッフは先のことも考えて効率よく動く必要があるのです。
だからといっていい加減な介護をしていいというわけではありません。
いくら時間がなくても利用者に不十分な介護をすると今まで積み上げてきた信頼を一気に失ってしまいます。
利用者の対応は丁寧に、それ以外は手早くできることが理想です。
利用者の一日の流れは入職時に配布される業務マニュアルに書いてあります。業務マニュアルは時間系列で書いてあるため、内容を覚えることで利用者の一日の流れを意識した行動ができます。
慣れてくると先を予測した準備や効率良く動く工夫ができるでしょう。
介護スタッフになったら利用者の状態に合わせて一日の流れが理解できるようになると「できる介護スタッフ」に近づけます!
まとめ
未経験者は就職後に何から覚えればいいのか不安をもつ方がほとんどです。
介護スタッフは利用者の状態や生活歴、座席や居室、一日の予定など総合的に理解していないと本当の意味で利用者に適切な介護をすることができません。
介護の知識と技術を習得すれば介護スタッフはできるものではありません。利用者に関わるすべての生活背景を理解していく必要があるのです。
今回ご紹介した内容を実行すればあなたも必ず独り立ちができます。
覚えることがたくさんあるため始めは大変かもしれませんが、毎日一生懸命仕事をすることですぐに覚えられます。
始めは誰でも「未経験者」です。そういった方たちは努力をして介護福祉士を取ったり昇格をしています。
あなたも介護スタッフとして活躍するチャンスは十分あります!そのためには地道に「利用者理解」と「一日の流れ」を覚えていくことが必要なのです。
自分を信じて進めば必ず立派な介護スタッフに成長できます。毎日少しずつ、コツコツと継続して覚えることが大切です。ぜひがんばって素敵な介護スタッフを目指して下さい!